患者さま対応や同僚との連携など、看護師として働く中で怒りを感じる場面は少なくありません。
その怒りがストレスとなり、悩んでいる方もいるでしょう。
本記事では、看護師に必要なアンガーマネジメントと怒りのコントロール方法を解説します。
感情に振り回されず、自分らしく働き続けるための方法を一緒に探っていきましょう。
看護師に必要な「アンガーマネジメント」とは?
アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。
怒りを抑え込むのではなく、冷静に意思を伝え、不要な怒りを手放すことを目指します。
常に人命に関わるプレッシャーの高い看護業務では、感情に流されると判断ミスや人間関係の悪化を招く危険があります。
アンガーマネジメントは、こうした厳しい環境下で冷静さを保ち、適切な対応をするために役立つスキルです。
参照:一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会「アンガーマネジメントとは」
看護師が怒りを感じる場面
看護の現場では、以下のような状況で怒りを感じるケースが多いです。
・患者さまからの暴言や暴力
・規則を守らない家族への対応
・何度も鳴るナースコール
・自分に落ち度がないことへの叱責
・他職種との連携がうまくいかず板挟みになる
・委員会や記録業務などで残業が増える など
このような場面で怒りを感じたあと、その怒りに任せて行動してしまうとケアの質を低下させたりミスにつながったりする恐れがあります。
そのため、感情を適切にコントロールする方法を学ぶのは重要です。
※ダウンロードpdfリンク
参照:曽根まなみ、松田望日子、古川絢也香、大塚亮介、赤坂茉美、小林留加、山本容子 「臨床現場における看護師の怒りが発生する場面とその対処方法に関する実態調査」
看護師が知っておくべき怒りのコントロール方法
看護師は怒りに任せて行動しないように、自分でコントロールできるようになっておく必要があります。
ここでは、怒りのコントロール方法を解説します。
自分の怒りポイントを把握する
怒りをコントロールするためには、まず自分がどんなときにイライラするかを把握するのが大切です。
時間に追われたり、価値観を否定されたりしたときなど、怒りを感じた状況をノートに書き出してみましょう。
自分の怒りのパターンが見えてくれば、その兆候を察知して事前に対策ができます。
感情を客観視できると、怒りに振り回されにくくなるでしょう。
冷静になるために6秒間耐える
怒りが湧いてきたときは、まず6秒間じっと耐えてみましょう。
深呼吸をする、ゆっくり心の中で数を数えるなど、方法はシンプルで構いません。
大切なのは、衝動にまかせてすぐに言い返さないことです。
6秒耐える行為が習慣になれば、感情の爆発を防げるだけでなく、後悔するような言動も減らせるでしょう。
その場から離れる
怒りを感じたら、一時的にその場を離れるのも効果的です。
感情が高ぶっているときは、トイレに行く、外の空気を吸うなど、物理的に距離を置くだけで心が落ち着きやすくなります。
また、怒りの対象から離れることで、状況を冷静に見つめ直すきっかけにもなるでしょう。
普段からストレス発散する
怒りをため込まないためには、日頃のストレス解消が不可欠です。
趣味に没頭したり、友人と話したりして、意識的に気分転換の時間を設けましょう。
小さなストレスも放置すれば、やがて大きな怒りの原因になります。
自分に合った方法でこまめに感情をケアすると心にゆとりが生まれ、怒りに振り回されにくくなります。
怒りのコントロールをしても怒りが湧いてくる環境なら転職を検討しよう
看護師は、日々さまざまなストレスやプレッシャーの中で判断や行動が求められる責任ある職業です。
だからこそ、怒りの感情とうまく付き合う「アンガーマネジメント」は、よりよい看護を提供するために欠かせないスキルといえるでしょう。
もし今の職場で、怒りやストレスを我慢し続けて限界を感じているなら、働く環境を見直してみてはいかがでしょうか。
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