摂食障害は、単なる偏食などの食の問題ではなく、心と体の両方に深く関わる病気です。
拒食や過食といった行動の背景には、さまざまな要因が関係していると考えられています。
本記事では、摂食障害についてや原因、治療法について解説します。
摂食障害について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
摂食障害とは?
摂食障害とは、食事にまつわる行動が正常でなくなり、心や体に深刻な影響を与える病気です。
10代〜20代の女性に多いとされていますが、年齢や性別に関係なく誰にでも起こる可能性があります。
代表的なものに、以下の3つがあります。
・神経性やせ症(拒食症)
・経性過食症(過食症)
・過食性障害
拒食症は、「太りたくない」という思いが強すぎるあまり、必要な栄養まで極端に制限してしまう状態です。
極度にやせていても、それを自覚できないケースが多い傾向にあります。
過食症は、一度に大量の食べ物を食べてしまい、その後に体重を増やさないために無理やり吐いたり、下剤を使ったりするのが特徴です。
過食性障害は、むちゃ食いが繰り返される一方で、吐くなどの行動がなく、肥満につながるケースがあります。
どのタイプも、体重や体型への強いこだわりや、自分をコントロールできない苦しさが背景にあります。
参照:国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト|摂食障害」
摂食障害の原因
摂食障害の原因は1つではなく、さまざまな要素が複雑に絡み合っていると考えられており、性格的な傾向に加えて環境要因や社会的な価値観、心の傷などが影響するといわれています。
たとえば、生まれつき敏感で真面目な性格の方は、自分に厳しくなりすぎてしまう場合が多いです。
そこに学校や職場でのプレッシャー、家庭内の不和、友人関係のトラブルなどが加わると、「痩せていなければならない」といった極端な考えに結びついてしまうケースがあるのです。
また、メディアやSNSの影響により、「細い=正しい」といった風潮が広がっているのも、発症の一因とされています。
摂食障害の明確な原因を突き止めようとしても、かえって本人や家族がつらくなるだけのケースもあります。
大切なのは「なぜなったか」ではなく、「これからどう支えていくか」を考えることです。
摂食障害の治療法
摂食障害の治療は、心と体の両方に向き合う必要があります。
まずは、病気を受け入れることから始まります。
痩せることに強いこだわりがある方ほど、自分が病気だと気づきにくいケースが多いのです。
身体面では、必要な栄養をしっかりと補い、体調を安定させるのが重要です。
拒食がある方には段階的な栄養補給が必要であり、過食がある方には食習慣の見直しと感情のコントロール方法を学ぶ必要があります。
心理的な面では、カウンセリングや認知行動療法を通じて、「痩せたい」という気持ちの背景にある不安や自己否定感を整理していきます。
家族への理解や支援も回復には欠かせません。
治療は通常、外来で進められますが、栄養状態が危険な場合や精神的に不安定なときは入院になる場合もあります。
摂食障害の治療に訪問看護を利用するのも選択肢の1つ
摂食障害は、食事や体型への強いこだわりが原因となり、心と体のバランスを崩してしまう病気です。
拒食や過食といった行動の背後には、不安や自信のなさ、周囲との関係性など、さまざまな悩みが隠れています。
原因は1つに特定できるものではなく、性格や家庭環境、社会の価値観などが複雑に影響しています。
治療では、体の健康を取り戻すとともに、心のケアにも丁寧に取り組むのが重要です。
また、通院だけでなく訪問看護を利用するという方法もあります。
訪問看護ステーションラララでは、利用者さまが希望する生活が送れるようにサポートいたします。
通院だけでは不安という方は、こちらからお気軽にご相談ください。