大人の発達障害を抱える家族との暮らしでは、日常的なトラブルやすれ違いからストレスを感じやすくなります。
共感されにくい苦労や、周囲に理解されない孤独感が積み重なると、限界を迎えるケースも少なくありません。
本記事では、家族が感じやすいストレスやその対処法を解説します。
大人の発達障害がある家族との関わり方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
大人の発達障害で家族が感じやすいストレス
大人の発達障害の代表的なものにはADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、LD(学習障害)があります。
これらの特性は人によって異なり、日常生活や人間関係に影響を及ぼします。
ここでは、家族がどのようなストレスを感じやすいのか解説します。
トラブルが重なり振り回されてしまう
発達障害があると、忘れ物や遅刻、片づけの苦手さなど、日常的なトラブルが起きやすくなります。
加えて、浪費や衝動的な発言、感情の爆発といった予測しづらい行動に、家族は振り回されがちです。
このような行動に悪気がないと理解していても、積み重なる対応にストレスを感じる方は少なくありません。
共感してもらえない
発達障害を持つ方の中には、相手の気持ちを想像したり、状況を察したりするのが苦手な方がいます。
そのため、同じ話をしても反応が薄かったり、自分の関心事ばかり話されたりして、家族が孤独を感じる場合があります。
共感が得られにくい状況は、家族間の絆を保つ上で大きな壁となるでしょう。
こだわりが強い
発達障害のある方は、特定のルールや考えに強くこだわる傾向があります。
そのこだわりを家族にも押しつけることで、衝突が起きやすくなります。
些細な違いに過敏に反応し、一方的に非難するケースもあり、冷静な話し合いが難しい場合も少なくありません。
家族は緊張を抱えながら対応を続け、精神的に疲弊してしまうのです。
まわりに理解してもらえない
発達障害は外見からはわかりにくいため、家族が悩みを相談しても「気にしすぎ」と受け取られ、理解されない場合があります。
特に本人が外で問題なくふるまっている場合、家族の苦労は見過ごされがちです。
共感を得られない状況が続くと、孤独や無力感が強まり、ストレスが限界に達してしまう可能性があります。
ストレスでカサンドラ症候群になる可能性がある
発達障害のある家族と意思疎通がうまくいかない日々が続くと、深い孤独感や無力感から「カサンドラ症候群」になってしまうかもしれません。
これは医学的な診断名ではないものの、心身に強い不調をきたす深刻な状態です。
頭痛や不眠、動悸などの身体症状に加え、うつや不安、自己否定といった精神的な苦しみも見られます。
カサンドラ症候群の症状が見られたら、早めに医療機関を受診しましょう。
発達障害がある家族との関わり方
大人の発達障害を持つ家族とよりよい関係を築くには、相手の特性を理解し、無理のない形で関わる工夫が必要です。
以下のような方法を意識してみましょう。
・特性を知り、本人が苦手なことを把握する
・具体的なルールやスケジュールを一緒に決める
・自分1人で抱え込まず、相談できる支援先を確保する
こうした関わり方は、家族関係のストレスを減らす手助けとなるでしょう。
大人の発達障害の治療に訪問看護を利用するのも選択肢の1つ
大人の発達障害は、家族にとって大きな負担となり、孤独やストレスの中で限界を迎えるケースもあります。
だからこそ、家庭だけで抱えず、専門職による支援を受けることが重要です。
訪問看護では、医師の指示のもとで利用者さまの自宅を訪れ、服薬管理や日常生活のサポート、対人関係スキルの向上に向けた助言や援助などを行います。
家族に対しても、関わり方の助言など間接的な支援が可能です。
本人の同意が前提とはなりますが、日々の暮らしを穏やかにする手段の1つとして、訪問看護の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
訪問看護の利用を検討している方は、訪問看護ステーションラララへお気軽にご相談ください。