拒食症や過食症などの「摂食障害」になると、健康被害を引き起こし日常生活に支障が出る場合があります。
摂食障害を克服するためには、原因や治療法を理解しておくのがポイントです。
この記事では、拒食症と過食症の違いや原因、対処法を解説します。
拒食症と過食症の違いとは?
拒食症と過食症はいずれも食事に関する問題が生じる「摂食障害」ですが、症状や特徴に違いがあります。
■拒食症と過食症の特徴
摂食障害の種類 | 特徴 |
拒食症 | ・どんなに痩せても「太っている」と思い込むようになる ・太ることや体重のコントロールに失敗することをとても怖がる ・食べることを拒否して、運動しすぎたり、口に指を入れて吐いたり、下剤を大量に使う ・標準体重の85%以下の状態が続く ・栄養不足からホルモン異常が起こって月経が止まる |
過食症 | ・太ることを怖がって、体重や体型に強くこだわる ・短時間で大量の食べ物を食べる ・食べることをコントロールできない、という思いがある ・食べすぎた直後に、口に指を入れて吐いたり、下剤を大量に使う ・体重や体型で、自分の評価が決まると思い込んでいる |
いずれの摂食障害も、栄養を適切に摂取できず、健康に支障が出る場合があります。
本人だけで問題に気付き改善するのは難しいケースが多いため、早めの診断と治療が大切です。
引用:厚生労働省/摂食障害:ヘルプノート:心もメンテしよう
関連記事:摂食障害の原因とは?症状と治療法までわかりやすく解説
拒食症と過食症の原因
拒食症と過食症を引き起こす主な原因は以下です。
・過剰なストレス
・体型へのコンプレックスやこだわり
仕事や人間関係の問題、将来への不安など、社会生活で受けるストレスが摂食障害を引き起こすきっかけとなる場合があります。
また、摂食障害を引き起こす原因として、特に若い女性に多いのが「体型や体重へのこだわり」です。
体型にコンプレックスを抱えていたり、周囲の人と体重を比較してしまったりするために、摂食障害に陥るケースがあります。
ただし、上記はあくまでも原因の一例であり、必ず摂食障害を引き起こすわけではない点に注意が必要です。
参照:厚生労働省/摂食障害
拒食症や過食症が繰り返し起こるときの対処法
摂食障害が繰り返し起こる場合、精神科や心療内科に相談し、治療や支援を受けるのが大切です。
・精神療法
・薬物療法
・食生活の改善
精神科と心療内科で受けられる治療について、詳しく見ていきましょう。
精神療法
精神療法(心理療法)では、拒食症や過食症が生じている原因を突き止め、精神的な不調に陥らないための考え方や行動を身につけていきます。
自分の体型に対する認知の歪みや自己評価と他者評価のズレを理解できれば、拒食症や過食症から抜け出すのも可能です。
薬物療法
一時的に薬物療法を実施し、体型へのコンプレックスやストレスをやわらげる場合もあります。
特に過食症の場合は「抗うつ薬」が効果を発揮する場合もあるため、医師の処方に従い、正しく服用すれば、症状をやわらげられるでしょう。
参照:MSDマニュアル/神経性過食症
食生活の改善
食事の取り方や内容を改善するのも重要です。
医師や看護師、栄養士の指導を受けながら適切な量・内容の食事を行い、拒食症と過食症の克服を目指します。
また、自分だけではコントロールできない場合、精神科訪問看護を利用するのも手段の1つです。
精神科訪問看護では、看護師が自宅に訪問し、食事内容のアドバイスや摂食のサポートを行います。
参照:厚生労働省/摂食障害
関連記事:摂食障害でも訪問看護は利用できる?支援内容をくわしく解説
拒食症や過食症は専門家のサポートを受けて克服しよう
拒食症や過食症になると、正しく栄養を摂取できなくなり、健康に悪影響が及ぶ可能性があります。
早めに専門家のサポートを受け、適切な食事習慣を身に付けましょう。
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