パーソナリティ障害の方との関わり方は?4つのポイントを解説
2025.02.03パーソナリティ障害は10種類に分類でき、それぞれ異なる特徴を持っていますが、
共通して認知の偏りや感情のコントロールの難しさ、人間関係のトラブルを抱えやすい傾向があります。
そのため、周囲の人が適切に対応することが、円滑な関係を築く上で重要です。
本記事では、パーソナリティ障害の方と関わる際に意識すべきポイントを解説します。
パーソナリティ障害の症状
パーソナリティ障害は、以下10種類に分類でき、それぞれで症状も異なります。
種類 | 症状 | |
A群
(奇妙、風変り) |
妄想性 | ・人を信用できない、疑う |
シゾイド | ・他人への関心がない | |
統合失調型 | ・考え方や行動が変わっている | |
B群
(演技的、感情的、移り気) |
反社会性 | ・ルールに関心がない
・悪いことをした自覚がない |
境界性 | ・人から捨てられてしまうという不安などから人間関係が不安定になる
・感情のコントロールができない |
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演技性 | ・人から注目を集めるために過激な行動をしてしまう | |
自己愛性 | ・周りから称賛されたい
・自分の過大評価 |
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C群
(不安や恐れを抱く) |
回避性 | ・人から拒絶されたくないため、社会参加を避ける |
依存性 | ・依存されたいと依存したいタイプがいる
・自分で物事を判断できない |
|
強迫性 | ・自分のルールに従わないと気が済まない
・人にも強要する |
どの種類にも共通しているのは、認知の偏りや感情のコントロールが苦手、人間関係や社会生活がうまく築けないという症状です。
本人もこの3つの症状によって、日常生活に支障をきたして悩んでいるケースが多い傾向にあります。
パーソナリティ障害の方との関わり方
パーソナリティ障害の方と関わる際に、意識すべきポイントを解説します。
適切な距離をとり普段と変わらない対応をする
パーソナリティ障害の方は、自分の行動や考え方が普通だと思い込んでいる場合も少なくありません。
周りが「治してあげなきゃ」「変えてあげなきゃ」と考えて関わってしまうと、パーソナリティ障害の症状がより強く現れてしまう可能性があります。
そうなると、相手は症状が悪化する、こちらは症状に巻き込まれて疲弊するというどちらにも得がない状態になりかねません。
パーソナリティ障害の方が問題を認識して行動を変えていくことが重要のため、周りがどうにかしようとせず、適切な距離でいつもと変わらない対応をすることが大切です。
相手の行動を無理に変えようしない
パーソナリティ障害の治療では、本人が問題のある行動や考え方を自覚して進めていくことが重要です。
そのため、自覚していないうちに相手の行動を変えようとするのは避けましょう。
むしろ、問題が自分にあることを理解できるようにサポートしてくことが求められます。
ただし、脅したり、暴言を吐いたりなど他人に害を与える行動をしたときは対処する必要があります。
関わり方を統一する
パーソナリティ障害の方と関わる際は、関わり方を統一しましょう。
対応が違うと、嫌われた、見捨てられたと思い込み、不信感が募ったり、症状が悪化したりするおそれがあります。
スタッフ間、家族間で関わり方を統一して、過度な期待を持たせないようにしましょう。
長期目線で継続的に関われる方法を見つける
パーソナリティ障害の治療は長期間になるため、継続的に関われる方法で接することが重要です。
負担が大きい、無理しないとできない方法だと、パーソナリティ障害当事者の方も関わる方も疲弊し、治療の継続が難しくなるかもしれません。
長期目線で、無理なく関われる方法を見つけていきましょう。
もし見つからない場合は、専門家に相談したりサポートしてくれる人を見つけたりしましょう。
パーソナリティ障害の方との関わり方を見つけて継続的にサポートしていこう
パーソナリティ障害の方との関わり方には、適切な距離感を保つこと、相手の行動を無理に変えようとしないこと、関わり方を統一することなど、いくつかの重要なポイントがあります。
特に、長期的な視点を持ち、無理なく関われる方法を見つけることが大切です。
パーソナリティ障害の方との関わり方が分からない、負担が大きいと感じる周囲の方は、精神科訪問看護の利用を検討してみてください。
訪問看護ステーションラララでは、症状や困りごとに合った看護を提供し、利用者さまが希望する生活が送れるよう支援しています。
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