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パニック障害の治療に役立つ食べ物とは?栄養素の力で症状改善を目指す食生活ガイド

2025.03.31

パニック障害の治療に役立つ食べ物とは?


パニック障害とは?症状と主な原因

パニック障害は、前触れなく強烈な不安や恐怖に襲われる「パニック発作」が繰り返し起こる精神疾患の一種です。発作時には、動悸、めまい、呼吸困難、胸の痛み、発汗などの身体症状が伴い、死の恐怖を感じることも少なくありません。

発症の背景には、神経伝達物質の不均衡や自律神経の乱れ、過剰なストレス、睡眠障害などが関係しています。特にセロトニンやノルアドレナリンの分泌が低下することが、症状の引き金になると考えられています。

さらに、パニック障害は単独で発症することもありますが、うつ病や統合失調症、双極性障害、PTSDといった他の精神疾患と併発するケースも多く、適切な診断と多面的なアプローチが求められます。

参考資料:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_02.html


食事とパニック障害の関係性

私たちの気分や精神状態は、脳内で分泌される神経伝達物質の働きによって大きく左右されます。そしてこれらの物質の合成には、日々の食事から摂取される栄養素が深く関係しています。

神経伝達物質と栄養素の関係

  • セロトニン:気分の安定に関わる物質で、トリプトファンというアミノ酸から合成されます。トリプトファンの吸収にはビタミンB6やマグネシウムが必要です。

  • ノルアドレナリン/ドーパミン:集中力や行動力を高める神経伝達物質で、チロシンや鉄分などが必要です。

パニック障害の改善には、これらの物質をバランス良く分泌させるための栄養療法が有効であるとされています。


パニック障害の症状を悪化させる食べ物・習慣

1. カフェインの過剰摂取

コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインは、交感神経を刺激して心拍数を上昇させ、不安やパニック発作を誘発しやすくなります。カフェインはセロトニンの分泌も妨げるため、過剰摂取は控えるべきです。

2. 血糖値の急上昇・急降下

白米やパン、甘いお菓子など、血糖値を急激に上げやすい食品を多く摂ると、その後の血糖低下によってイライラや不安感を引き起こすリスクがあります。血糖の安定には、食物繊維やタンパク質を含む食品と組み合わせて摂取することが大切です。

3. 加工食品の摂りすぎ

インスタント食品やスナック菓子などに含まれる添加物やトランス脂肪酸は、脳や神経に悪影響を及ぼすことが報告されています。過剰な摂取は避け、できるだけ自然な食品を心がけましょう。


症状の緩和に役立つ食べ物と栄養素

ここからは、パニック障害の治療を助ける具体的な栄養素と、それを多く含む食材を紹介します。

1. トリプトファンを含む食品

  • 大豆製品(納豆・豆腐・味噌)

  • バナナ

  • ナッツ類

  • 鶏むね肉

トリプトファンはセロトニンの原料です。炭水化物と一緒に摂ることで脳内への吸収が高まります。

2. ビタミンB群

  • レバー

  • 玄米

  • 緑黄色野菜

  • 魚(特にサバ、サンマ)

ビタミンB6ビタミンB群は、神経の働きを整えると同時に、セロトニンやドーパミンの合成を助けます。

3. マグネシウム

  • 海藻類

  • 豆類

  • アーモンド

  • ひじき

  • ほうれん草

マグネシウムは神経の興奮を抑える働きがあり、ストレスによって消耗されやすい栄養素です。

4. オメガ3脂肪酸

  • 青魚(サバ、イワシ、サンマ)

  • 亜麻仁油

  • えごま油

  • チアシード

オメガ3脂肪酸は、脳の構造と機能を支える重要な脂肪です。炎症を抑え、気分の安定にも役立ちます。


食生活を改善するための実践的な方法

パニック障害の改善には、単に「体に良い食材を食べる」だけでなく、生活習慣全体を見直すことが大切です。

1. 食事のリズムを整える

毎日の食事時間が不規則だと、血糖やホルモンの分泌が乱れ、精神状態にも影響します。1日3食をなるべく同じ時間に摂るよう心がけましょう。

2. 腸内環境を整える

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、セロトニンの約90%が腸内で合成されています。発酵食品(ヨーグルト、味噌、ぬか漬け)や食物繊維を意識して摂りましょう。

3. サプリメントの活用

栄養素が不足しがちな場合は、ビタミンB群やマグネシウムのサプリメントを取り入れるのもひとつの方法です。ただし、使用する際は医師に相談することをおすすめします。


食事と併せて取り入れたい治療法

食事による改善は大切ですが、他の治療法と組み合わせることでより高い効果が得られます。

認知行動療法(CBT)

思考と行動のパターンを修正することで、不安や発作のコントロールが可能になります。精神科や心療内科のクリニックで受けられることが多いです。

薬物療法

症状が重い場合には、抗不安薬や抗うつ薬などを用いた治療が必要です。副作用や依存リスクもあるため、医師の指導のもと慎重に進める必要があります。

運動と睡眠の見直し

適度な有酸素運動やヨガ、十分な睡眠時間の確保も、自律神経の安定に効果があります。


家族や周囲の理解・サポートも大切

パニック障害は外見からはわかりにくいため、患者本人が誤解されやすい疾患でもあります。家族や職場の人々が正しい知識を持ち、理解しようとする姿勢が、患者の安心感と回復につながります。

また、診療へのアクセスが難しい場合は、電話相談やオンラインでのカウンセリングの活用も有効です。


まとめ:食べ物の力を味方に、パニック障害の回復を目指そう

パニック障害の症状や発作には、脳内の神経伝達物質のバランスが関係しており、それを整える食事や栄養の見直しが回復への大きな一歩となります。

【重要ポイント】

  • セロトニンの合成にはトリプトファン+ビタミンB6が必須
  • カフェインや砂糖は避け、血糖の安定を図る
  • マグネシウムやオメガ3脂肪酸を意識的に摂る
  • 食事+運動+睡眠+心理療法の「統合的治療」が効果的
  • 適切な栄養摂取と生活習慣の調整により、パニック障害の症状は緩和・安定化が期待できます。まずはできることから、少しずつ取り組んでみてください。

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