流産や死産を経験したあと、自分を責めてしまう方は少なくありません。
ただ、妊娠した方のうち約10〜15%は流産につながるとされており、その多くは受精卵や染色体の異常によって起こります。
誰にでも起こり得ることのため、決して自分を責める必要はありません。
この記事では、流産後にあらわれやすいうつ症状や実際に流産を経験した人の声、相談先や支援の選択肢について解説します。
流産後はうつ症状があらわれやすい
流産の経験により、うつ症状があらわれる女性は少なくありません。
妊娠期はホルモンバランスの変化によって、もともとこころの不調が起きやすい時期です。
そこに流産の身体的な影響や自己否定感、罪悪感などが重なり、強い心理的負担をもたらします。
そのため、流産後はとくにうつ症状が現れるリスクが高い状態です。
実際に流産や死産を経験した人のうち、約7割が「日常生活に支障があった」と回答しています。
また、こころの健康チェックでは、以下のような結果が報告されています。
・うつや不安障害が疑われる状態:65.0%
・重度のうつ・不安障害が疑われる状態:53.6%
このように、流産後は多くの女性が深刻な心理的苦痛を抱える可能性があります。
適切なサポートを受けることで回復につながりやすいため、症状を軽視せず早めに専門機関に相談しましょう。
参照:厚生労働省「第Ⅳ章 調査結果報告~詳細~」
流産後にみられるうつ症状
流産後にみられるうつ症状として、以下が挙げられます。
・食欲がわかない
・涙が止まらない
・将来が不安になる
・眠れない、途中で目が覚めてしまう
・これまで楽しかったことに興味を持てない
・強い罪悪感や「自分のせいだ」という思いを持つ
とくに、なくなった子どもへの想いや気持ちの浮き沈み、自分を責めてしまうことなどで強い苦痛を感じやすくなります。
また、妊娠中の人や子ども連れの人を見るのがつらい、今後の妊娠・出産を考えると不安になるといった声も少なくありません。
こうした症状は、流産という大きな喪失を経験したときに誰にでも起こり得る自然な反応です。
流産後の精神的な不安定さがいつまで続くか知りたいときは、こちらの記事を合わせてご覧ください。
参照:厚生労働省「第Ⅳ章 調査結果報告~詳細~」
流産後のつらさは専門家に相談しよう
以下のような理由から、流産のつらさを誰にも相談できなかった方が多くみられます。
・人に話すことに抵抗があった:39.3%
・身近に相談する先がなかった:34.4%
・誰に相談できるのかわからなかった:29.5%
とくに、強いうつ症状が疑われる人では「身近に相談する先がなかった」と答えた割合が 半数以上(51.9%) にのぼりました。
こころの不調は対応が早いほど回復がスムーズになるため、まずは産婦人科や精神科に相談しましょう。
日常生活や家庭の中でサポートが必要なときには、精神科訪問看護という選択肢もあります。
つらさをひとりで抱え込まず、安心して気持ちを話せる場とつながることが、回復へのきっかけとなります。
流産後のうつ症状に悩むときは訪問看護という選択を
流産後の不調で「病院に行くほどではないのでは…」と思っても、日常生活や気持ちの面で支えがあると、回復はずっとスムーズになります。
訪問看護ステーションラララでは、精神科に対応した看護師がご自宅に訪問し、服薬や睡眠、食事の相談や、安心して話せる時間づくりなど、日常に寄り添ったサポートを行っています。
ご利用を検討される際は、こちらからお気軽にご相談ください。