精神科で起こりうる急変対応とは?訪問看護で求められる場面や対応手順を解説
2025.03.27「精神科訪問看護で急変が起きたとき、どう対応すればいいのだろう」「急変対応は難しそうで不安…」と悩んでいる看護師の方もいるでしょう。
精神科訪問看護における急変対応は、利用者さまの命を守るために欠かせないスキルです。
本記事では、精神科で急変対応が必要な場面や精神科訪問看護の急変時の対応について解説します。
精神科で急変対応が必要な場面はある?
精神科において急変対応が必要な場面は多く存在します。
精神科では、精神的混乱や自傷・自殺行為などが突然発生することがあり、迅速な対応が求められます。
電車内での強い恐怖発作や家族の暴力行為、出血を伴う自傷、叫び出すなどの行動は典型的な例です。
精神科訪問看護の現場でも、自傷や精神症状による意識障害や錯乱が起こり得ます。
これらは症状の急激な悪化や服薬管理の難しさが背景にあり、訪問看護師は常に急変のリスクを念頭に置いて訪問を行う必要があります。
急変時に適切な対応をとるためにも、精神疾患の理解を深め、事前に家族や医療チームとリスク情報を共有し、万が一の備えを怠らないことが大切です。
精神科訪問看護で急変したときにとるべき対応
精神科訪問看護で急変したときにとるべき対応を解説します。
状況把握のための情報収集
急変が発生した場合、まずは状況を正確に把握することが最優先です。
情報収集の際は、以下の項目を確認しましょう。
・利用者さまの名前
・現在の状態(意識、自傷・自殺企図、外傷の有無)
・利用者さまの訴え(体調の異変、不安や幻覚・幻聴の内容)
・意識レベル
・症状の出現時期
これらの情報を聴取し、命に関わるリスクがあるかどうかを見極めます。
状況の把握は、後の救急対応や医療機関との連携を円滑に進めるためにも重要です。
また、訪問中ではなくオンコール対応の場合は、これらの情報に加えて、電話をしている方の関係性も聞き、緊急性が高いかどうか判断しましょう。
緊急性が高いと判断した場合は、直ちに利用者さまの自宅へ向かうか、状況によっては救急車を呼ぶなどの対応が必要です。
救命処置や救急隊への連絡
急変現場では、利用者さまの生命の危機を迅速に見極め、意識障害や呼吸停止、大量出血が確認された場合は直ちに救命処置と119番通報を行いましょう。
意識レベルや呼吸、脈拍を確認し、氏名・住所・症状を簡潔に救急隊へ伝えます。
救急到着までに必要な応急処置を実施し、薬の過剰摂取が疑われる場合は薬の種類や量、服薬時間を把握し、搬送先に正確な情報を提供します。
関係者への連絡
急変対応後は、利用者さまの安全確保のうえで、関係者への迅速な連絡が重要です。
まずは訪問看護ステーションの管理者や主治医へ連絡し指示を仰ぎます。
家族には状況と搬送先を伝え、必要に応じて他職種にも連絡し支援体制を調整します。
あらかじめ各関係者の連絡先や連絡の優先順位を確認し整理しておくことで、急変時も慌てずスムーズに対応できる体制を整えておくのが大切です。
急変時の対応は現場で学びながら身につけていこう
精神科訪問看護では、突発的な自傷行為や自殺企図、薬の過剰摂取など、命に関わる急変が発生することがあります。
こうした場面で求められるのは、状況を正確に把握し、迅速かつ的確に救命処置や関係者への連絡を行う対応力です。
事前の情報収集や連絡体制の確認を徹底し、万が一の際にも慌てず行動できる準備が、利用者さまの安全を守ることにつながります。
実際の急変対応は、現場での経験を積むことでしか身につかないスキルです。
精神科に特化した訪問看護を提供する訪問看護ステーションラララで、現場で働きながら急変対応のスキルを身につけていきましょう。
ぜひ、こちらからお気軽にお問い合わせください。