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統合失調症に良い食べ物とは?症状改善に役立つ栄養と食事療法の実践ガイド

2025.03.31

統合失調症に良い食べ物とは?

統合失調症と食事の深い関係

統合失調症は、幻覚や妄想、感情の平坦化、思考の混乱といった精神症状を中心とする複雑な精神疾患です。精神科での診断後、治療薬によるアプローチが主となりますが、近年では「栄養療法」や「食事改善」が症状の改善に役立つと注目されています。

この病気は遺伝、ストレス、発達障害、生活習慣などさまざまな要因が重なって発症する可能性があり、食生活の乱れが悪化の原因のひとつになることもわかってきました。日本を含む多くの国の研究でも、栄養バランスの良い食事が精神症状の緩和に寄与することが明らかになっています。


統合失調症の症状と栄養の関係

統合失調症の主な症状には以下のようなものがあります:

  • 幻覚(例:誰もいないのに声が聞こえる)

  • 妄想(現実とは異なる強い信念)

  • 思考の混乱、集中力の低下

  • 感情の平坦化(喜怒哀楽の乏しさ)

  • 意欲の低下、無気力

これらの症状は、脳内の神経伝達物質の異常やストレスによる交感神経・副交感神経のバランスの乱れ、ビタミンやミネラルなどの栄養素不足とも関連しています。

参考:精神疾患 – 統合失調症- (厚生労働省)


統合失調症に良い食べ物とその効果

ここでは、統合失調症の各症状に対し、どのような食品や栄養素が有効とされているのかを詳しく紹介します。

1. 思考の混乱・集中力の低下への対策

  • DHA・EPAを含む魚類(サーモン、イワシなど)
    これらのオメガ3脂肪酸は、神経細胞の機能を高め、思考の明瞭化に寄与します。

  • ビタミンB群を含む全粒穀物、ナッツ、卵
    神経伝達物質の合成に関与し、集中力をサポート。

2. 幻覚・妄想の軽減

  • 抗酸化食品(ブルーベリー、ほうれん草、ブロッコリー)
    脳の酸化ストレスを抑え、精神機能の安定に貢献。

  • 亜鉛やマグネシウムを含む食品(カボチャの種、牡蠣、豆類)
    精神症状の緩和に効果があるとされる栄養素。

3. 感情の平坦化と感情表現のサポート

  • トリプトファンを含む食品(バナナ、牛乳、納豆)
    セロトニンの材料となり、感情の安定に寄与します。

  • 発酵食品(味噌、キムチ、ヨーグルト)
    腸内環境の改善は精神安定と深い関係があり、最近の研究でも注目。


栄養素が及ぼす精神症状への影響

統合失調症患者では特に以下の栄養素が不足しやすいと報告されています。

  • ビタミンB6・B12・葉酸:神経伝達物質の働きを助ける。

  • ビタミンD:うつ症状の緩和にも関係。

  • 亜鉛・マグネシウム:ストレス耐性を高める。

  • オメガ3脂肪酸:脳内の炎症抑制。

これらの栄養素が含まれる食品を日常的に摂取することが、長期的な症状改善に効果的だとされています。


食事療法の実践方法と注意点

1人で食生活を変えるのが難しい場合は、家族や支援者と一緒に取り組むことが大切です。

食生活改善のポイント

  • 極端な食事制限を避け、バランスの取れたメニューを心がける

  • 加工食品を控え、新鮮な食品を中心にする

  • 不足しがちな栄養素はサプリメントで補う方法も検討

栄養療法を行う場合は、精神科の先生や専門医、栄養士と連携しながら判断するのが理想です。自己判断での過剰摂取は逆効果になる可能性もあります。


統合失調症と併発しやすい精神疾患との関係

統合失調症は、うつ病や不安障害、PTSD、双極性障害などと併発することが少なくありません。

うつ病との併発

統合失調症患者の約半数がうつ病を経験するとされます。陰性症状との見分けが難しく、正確な診断と治療が必要です。

不安障害・PTSDとの関連

幻覚や妄想によるストレスが、不安障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こすことがあります。フラッシュバックや過覚醒が症状を悪化させるケースもあるため、早期の対応が不可欠です。

双極性障害との区別

統合失調感情障害など、両者の症状を併せ持つ病態も存在します。極端な気分の上下と幻覚・妄想が見られる場合は専門的な検査・診断が必要です。


訪問看護と食事療法の連携

訪問看護は、統合失調症の患者に対して重要な支援を提供します。薬の服用チェック、栄養指導、生活リズムの整備などを通して、患者の安定を図ります。

当院でも、訪問看護師が食事内容のチェックや、必要な食品・栄養素についてのアドバイスを行い、患者本人と家族の負担を減らすサポートをしています。


まとめ:栄養を味方に、前向きな一歩を

統合失調症は、長期的な治療が必要な精神疾患ですが、適切な栄養素の摂取や食事改善によって、症状の緩和や再発予防が可能になります。

私たち1人ひとりの身体は、食べたものでできています。症状と向き合いながら、日々の食生活を少しずつ見直していくことが、より良い経過につながる第一歩になるでしょう。

在宅医療、精神科訪問看護に興味のある方は、ぜひ『訪問看護ステーションラララ』にお問い合わせください。

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