精神疾患の治療中に便秘になる方は珍しくありません。
心の病気に伴う自律神経の乱れや、治療に使う向精神薬の影響などから便秘になる可能性があるため、適切に対処することが重要です。
この記事では、精神疾患や向精神薬と便秘の関係性、対策法について解説します。
精神科の病気で便秘になるのはなぜ?
精神科における便秘は、精神的なストレスや不眠、治療に使用する向精神薬などが原因で起こる場合があります。
それぞれが便秘を引き起こす理由について、詳しく見ていきましょう。
ストレスや不眠が便通に影響するから
うつ病や統合失調症、不安症などを治療している方は、強い精神的ストレスや緊張から便秘になる場合があります。
ストレスや緊張、不安などは精神疾患を引き起こす原因であると同時に、便秘の原因となる自律神経失調症の原因でもあるためです。
自律神経の働きが乱れると、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が鈍くなり、便の出が悪くなります。
また、精神疾患やストレスに伴う不眠症が原因で自律神経が乱れ、便秘になる場合もあります。
参照:厚生労働省/こころの耳No.5身体症状に着目したストレス反応
参照:MSDマニュアル/自律神経系の概要
向精神薬を服用しているから
精神疾患の治療として「向精神薬」を服用しているために便秘になる方もいます。
向精神薬の働きの1つである「抗コリン作用」は自律神経に作用するため、大腸や小腸の機能にも影響して便秘が起こる場合があります。
向精神薬の服用は、便秘以外にも排尿障害やふらつきなどを引き起こす場合もあるため、医師と相談して正しく服用する必要があります。
参照:MSDマニュアル/抗コリン作用:どんな作用か?
精神科における便秘対策
精神疾患の治療中には、便秘対策として主に以下の手段が用いられます。
・生活習慣の調整
・服薬の調整
・訪問看護によるサポート
それぞれ見ていきましょう。
生活習慣の調整
生活習慣を整えると自律神経が調整され、便秘が改善される場合があります。
食生活の改善や睡眠習慣の改善、適度な運動やリラクゼーションの習慣化ができれば、自律神経の働きを整えることも可能です。
規則正しい生活習慣や生活リズムを身に付けることで、便秘の起こりにくい身体を目指せます。
参照:MSDマニュアル/成人の便秘
薬の調整
向精神薬が原因で便秘が起こっている場合、服薬内容の調整によって改善する場合があります。
向精神薬の服用が長期化している場合や過剰に服用している場合は、便秘を引き起こす可能性が高いです。
薬が原因で便秘が起きていると感じたら、早めに医師や薬剤師と相談し、服用量や種類の調整を受けましょう。
また、処方内容に問題がないにもかかわらず、適切に服薬できていないために便秘が起こる場合もあります
正しいタイミングで、適切な量を服用するよう、服薬管理についてアドバイスを受けるのも重要です。
訪問看護によるサポート
生活習慣の改善や服薬管理がうまくいかない場合、訪問看護を利用するのも手段の1つです。
訪問看護では、生活習慣改善のためのアドバイスや服薬管理など、便秘の改善に役立つサポートを受けられます。
精神疾患の影響で、生活リズムの調整や服薬の自己管理が難しいと感じる方は、訪問看護の利用も検討してみましょう。
関連記事:訪問看護でできること・できないこととは?サービス内容を詳しく解説
精神科における便秘は医師や看護師に相談しよう
精神疾患の治療において、便秘になる方は珍しくありません。
便通の悪さやお腹の張り、痛みなどを感じた場合は、なるべく早めに医師や看護師に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。
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