出産後に「これって産後うつ?」と不安になる方は少なくありません。
産後は多くの人が「マタニティブルー」という一時的な気分の変化を経験しますが、通常は2週間ほどで自然に回復します。
一方で、落ち込みや興味の喪失が2週間以上続く場合は産後うつの可能性があり、専門的な支援が必要です。
この記事では、産後うつになりやすい人の特徴やチェック方法などを解説します。
産後うつになりやすい人の特徴
産後うつになりやすい人の特徴として、以下が挙げられます。
・計画外の妊娠である
・妊娠期から抑うつ気分や不安がある
・転居や失業、家庭内問題などが重なった
・過去にうつや不安障害などの精神的な病気を経験した
・初めての出産で分娩や慣れない育児がストレスになっている
・家族やパートナー、周囲からの支援が足りず相談できる環境がない
これらにあてはまるすべての人が産後うつになるわけではありません。
ただ、複数の要因が重なることで産後うつのリスクが高まります。
産後うつは治療開始が早いほど回復がスムーズになるため、心当たりがある場合は早めに専門機関へ相談してください。
参照:厚生労働省 第5章 養育者のメンタルヘルス
産後うつのチェックシート
厚生労働省では、以下の質問が産後うつのチェックとして紹介されています。
1.この1か月間、気分が沈んだり、憂うつな気持ちになったりすることがよくありましたか
2.この1か月間、どうも物ごとに対して興味がわかない、あるいは心から楽しめない感じがよくありましたか
2つのうち1つでも「はい」と答えた場合は産後うつの可能性があるため、より専門的な心理検査を受けることが推奨されています。
当てはまる場合はひとりで抱え込まず、なるべく早い医療機関への相談が安心です。
参照:厚生労働省 第5章 養育者のメンタルヘルス
受診を考えるべきサインと相談できる医療機関
以下に心当たりがあるときは、早めに医療機関を受診しましょう。
■受診を考えるべきサイン
・育児や家事が手につかず生活に支障が出ている
・気分の落ち込みが1日中続き2週間以上改善しない
・これまで楽しめていたことに興味が持てなくなった
■受診を急ぐべきサイン
・自分や子どもを傷つけたい気持ちがある
こうした症状がある場合は、出産した産婦人科や精神科、心療内科のいずれでも相談可能です。
病院への相談に抵抗があるときは、地域の保健センターに相談する方法もあります。
気になる症状が続いているときは、産後うつのサインかもしれません。専門機関に相談することが、安心して育児をする第一歩になります。
自宅での生活が不安なときは訪問看護を利用できる
夫が仕事で忙しかったり実家が遠方で頼れなかったりと、ママがひとりで育児を抱えるケースは少なくありません。
孤立感や不安が強くなると産後うつの回復が遅れる可能性があるため、自宅で訪問看護を利用するのもひとつの方法です。
訪問看護では、以下のような支援を受けられます。
・育児の不安や悩みの相談
・看護師による体調チェック
・服薬管理や生活リズムづくりのサポート
産後うつにおける訪問看護の支援については、こちらの記事で解説しています。
産後うつかもと思ったら早めに相談しよう
産後うつは甘えではなく、誰にでも起こりうる病気です。
なりやすい人の特徴や産後うつのチェックで当てはまる部分があれば、ひとりで抱え込まずに専門機関へ相談しましょう。
自宅での生活が不安なときは、訪問看護を利用してサポートを受ける方法もあります。
ご興味のある方はこちらからお気軽にお問い合わせください。