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お金がないけど精神科に行きたいときはどうすればいい?

2025.11.18 精神科訪問看護とは

お金がなくても精神科に行ける?利用できる制度や支援を解説
「精神疾患と診断されたけど、治療を受けるお金がない…」

このように、精神疾患を患っていて、お金に関する不安や悩みを抱えている方も少なくありません。
なかには、精神症状によって休職しており、日常生活を送るのも精一杯で、治療にお金をかけたくないという方もいるでしょう。

そのような方は、公的な制度や支援の活用により、精神科への通院が楽になる可能性があります。

この記事では、金銭面の不安を抱えながら精神科へ通院する方が利用できる「制度」や「支援」について、詳しく解説します。


精神科の受診・通院で「お金がない」と悩む人もいる

精神的な問題を抱えている方のなかには、金銭的な問題から、精神科の受診や通院ができなくなる方もいます。

精神疾患になると働くのが難しくなり、日常生活を送るのも苦しくなる場合があるためです。
貯金を切り崩して生活したり、仕事をやめなければならなかったりすると、精神科の受診にお金を使うのが億劫感じるでしょう。

また、精神科へ定期的に通院する場合、診察費のほかに交通費や薬代なども必要になります。
収入のない状況では、毎月の通院費に対して焦りや不安を感じ、通院をやめたくなってしまいます。

とはいえ、精神疾患の克服と、すみやかな社会生活への復帰を目指すには、精神科の受診や通院はかかせません。

そこで、お金がない状況で精神科を受診するために活用できる「制度」や「支援」を理解しておくのがポイントとなります。
関連記事:精神科の通院にはいくらかかる?内訳や費用負担の抑え方を解説!


精神科の受診・通院にかかる費用の目安

精神科の受診や通院にかかる費用は、国の定める「医療点数」に基づいて決められます。

精神科の受診や通院にかかる主な医療点数は、以下の通りです。

医療点数の項目 点数 3割負担における自己負担額
初診料 291点 873円
再診料 75点 225円
通院・在宅精神療法料 315~560点 945~1,680円
処方箋料 60点 180円
時間外費用 50点 150円

このほか、検査費用や薬代を合わせると、受診に必要な費用は以下のようになります。

初診にかかる費用:2,500~5,000円
再診にかかる費用:1,500~2,500円

通院頻度や診療内容にもよりますが、人によっては1か月当たりの費用負担が大きくなる場合もあります。
たとえば、初診を含めて月に2回通院した場合、薬代と合わせて1万円程度かかるケースもあるでしょう。

ただし、薬代は後発医薬品(ジェネリック医薬品)を希望すると抑えられる場合があります。
参照:厚生労働省/別表第一 医科診療報酬点数表
参照:厚生労働省/令和4年度診療報酬改定の概要 個別改定事項Ⅳ(精神医療)


お金がないときに精神科を受診する方法

お金がない時に精神科を受診したい場合、公的な支援制度を利用すると、経済的に楽になる場合があります。

精神科の通院中に利用可能な支援制度は以下のとおりです。

・自立支援医療制度を利用する
・精神障害者保健福祉手帳を取得する
・生活保護を利用する

それぞれ詳しく見ていきましょう。


自立支援医療制度で医療費を1割負担へ

自立支援医療制度とは、1か月あたりに負担する医療費の自己負担額に上限が設けられる制度です。

上限額は世帯ごとの所得に応じて変動し、総医療費の1割や、1か月あたり2,500〜5,000円まで抑えられる場合もあります。

自立支援医療制度を利用するには、住んでいる市区町村の役所に設置されている「障害福祉課」や「保健福祉課」への申請が必要です。
申請するにあたっては、以下の書類を用意しなければいけません。

・申請書
・医師の診断書
・世帯の所得状況が確認できる書類
・健康保険証の写し

申請には「医師の診断書」の提出が必須であり、事前に精神科や心療内科を受診して、診断を受けておく必要があります。
また、自治体によって必要な書類や制度を利用する条件が異なるため、窓口で確認してください。

出典:厚生労働省/自立支援医療(精神通院医療)について


精神障害者保健福祉手帳で生活費を節約できる

精神障害者保健福祉手帳を取得すると、税金や公共料金の免除・減免・割引が受けられます。
精神障害者保健福祉手帳で受けられる主な支援内容の例は、以下の通りです。

・各種税金の控除や減免
・NHK受信料の減免
・鉄道・バス・タクシーの運賃割引
・携帯電話料金の割引
・上下水道料金の割引
・公共施設の入場料金割引

上記の減免や割引を受ければ、生活費を抑えられるため、精神科へ受診するハードルが下がるでしょう。

ただし、精神保健福祉手帳を取得できるのは、医師から精神疾患と診断されており、かつ診断が初診日から6ヵ月以上経っている方に限られます。

また、等級を決定するための審査にも時間がかかるため、申請してもすぐに利用できるわけではない点に注意が必要です。

出典:こころの情報サイト/障害者手帳・障害年金


生活保護を一時的に利用して通院を続ける

生活保護は、文化的な最低限の生活を送るのが難しいほど、経済的な問題を抱えている方が利用できる制度です。

生活保護を利用中の方は「医療扶助」により、精神科の受診や通院費の自己負担が無料になります。
また、最低限の生活を行うための生活費が支給されるため、金銭的な問題や不安も解消されます。

なお、生活保護は短期間の利用も可能であり、精神疾患が原因で一時的に働けない状況にある方も申請できます。

経済状況が不良で日常生活を送るのが困難であり、精神科への通院もしなければならない場合は、一時的に生活保護を利用するのも手段の1つです。

参照:厚生労働省/生活保護制度


お金がないときに利用できる経済的な支援制度

経済的に困っている場合、自立支援医療制度や精神障害者健康福祉手帳のほかにも利用できる支援制度があります。

・傷病手当金
・障害年金

これらの制度について、詳しく見ていきましょう。


傷病手当金で休職中の生活費を補う

傷病手当金は、病気やケガが原因で休職した場合に受け取れる手当金です。
会社員や公務員で健康保険に加入しており、療養のため一定期間仕事をするのが困難な場合に受け取れます。

傷病手当金の1日の支給額を簡単に説明すると「1か月の給与を日割りした額の3分の2」となります。

例:平均月収20万円の場合
20万円 ÷ 30日 × 3分の2 = 4,445円(小数点以下四捨五入)

また、傷病手当金は最長で1年6ヵ月受け取り可能です。
仮に精神疾患で働けなくなった場合、傷病手当金を活用すれば、精神科への通院も可能となるでしょう。

なお、傷病手当金を受け取るには、事業主の証明書と医師の診断書を「全国健康保険協会(協会けんぽ)」に提出します。
独断で申請できるわけではないため、精神科の受診や事業主との相談を行ったうえで申請しましょう。

参照:全国健康保険協会/傷病手当金


障害年金で長期療養を支える

障害年金は、病気やケガで日常生活に制限が生じたり、働く能力がなくなったりした場合に受け取れる年金です。
うつ病や統合失調症など、精神疾患が原因で生活に支障が出た場合も、障害年金を受け取れるようになります。

障害年金は、病気やケガの程度や保険への加入状況、初診日などの条件に応じて、1~3の等級に分けられ、等級ごとに受け取れる年金額が変動します。

世帯人数や加入している健康保険の状況によって、受け取れる年金額の差はありますが、1級で8~10万円、2級で6~8万円、3級で4~5万円ほど受け取ることが可能です。

障害年金を受け取るには、地域の年金事務所で申請手続きを行う必要があります。
年金事務所では、障害年金を受給できるか、どの程度の額の年金を受給できるのかなどの相談もできるため、受給対象の方は問い合わせてみると良いでしょう。

参照:厚生労働省/[年金制度の仕組みと考え方]第12 障害年金


制度の利用の手続きが難しいときに相談できる場所

精神科へ通院するために制度の利用を検討しているものの、自分で手続きするのが難しい方もいるでしょう。
その場合は、手続きに関するサポートを受けられる、以下の相談窓口を利用してみてください。

・市区町村の福祉課
・精神保健福祉センター
・医療ソーシャルワーカー

各自治体の福祉課や精神保健福祉センターでは、精神疾患で金銭的に困っている方のサポートを行っています。
また、病院やクリニック、保健所に所属している医療ソーシャルワーカーも、制度や支援に関するプロフェッショナルであるため、身近にいる場合は相談してみましょう。

また、訪問看護ステーションでも、制度の活用に関する相談が可能です。

精神疾患で利用できる制度や支援は、一般的に触れる機会がないため、手続きが複雑に感じる場合もあるでしょう。
まして、精神疾患の症状に悩んでいる場合は、生活に手いっぱいで手続きを行えないケースもあります。

悩んだときは一人で抱え込まず、まずは相談窓口や訪問看護ステーションに相談してみてください。


お金がなく精神科への通院が難しいときは訪問看護の利用も検討しよう

お金がなく精神科への通院が難しい場合は、訪問看護を利用するのも選択肢の1つです。
訪問看護は健康保険が適用されるため、医師の指示書があれば「自立支援医療」を活用しながら利用できます。
経済的に不安を抱えている場合でも、安心して症状のケアを受けられるでしょう。

また、訪問看護は「自宅にいながら」「1対1でじっくりと」「自分にぴったりの」ケアを受けられるメリットがあります。

精神症状で服薬の自己管理が難しい方や、日常生活の困りごとを抱えている方、家族の負担を減らしたい方など、さまざまな悩みに対するサポートが可能です。
外出に不安があり、通院が難しいと感じている方も、訪問看護なら治療を継続できるでしょう。

精神疾患にお悩みの方や、治療中にお金の不安を感じている方は『訪問看護ステーションラララ』へご相談ください。
ラララでは、精神疾患を抱える一人ひとりの利用者さまに寄り添い、安心して日常生活を送るサポートを提供しています。

どんなに小さな悩みでも相談できますので、お悩みの場合は『こちら』から、お気軽にお問い合わせください。


経済的に不安があっても治療を続ける方法はある!ラララへご相談を

精神科へ通院するお金がないときは、自立支援医療制度や生活保護、精神障害者保健福祉手帳などの制度を利用すると、治療にかかる自己負担額を減らせます。

複数の制度を組み合わせて活用すれば、日常生活を安定させつつ精神科へ通院することも可能です。

お金がないからといって、通院をやめたり受診を控えたりすると、精神疾患や日常生活の状況が悪化してしまう可能性もあります。
制度や支援の手続きが複雑と感じるなら、市区町村の相談窓口や訪問看護ステーションなどに相談すれば、制度の利用に対するサポートも受けられます。

金銭面に不安のある方は、通院や受診をやめるのではなく、制度や支援を活用しながら前向きに治療を進めるよう心掛けてみましょう。

『訪問看護ステーションラララ』では、精神疾患のケアだけでなく、社会資源活用の相談も受け付けています。

精神疾患で悩む方は、費用面も含めて一人で抱えず『ラララ』に相談してください。

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