家族に双極性障害の方がいる場合「遺伝するのでは？」と心配になる人もいるかもしれません。

精神疾患のなかには遺伝的要因が関係するものもありますが、双極性障害もそのうちの1つです。

遺伝に関する知識や、発症に関わるほかの要因を理解しておくと、早期発見のきっかけになるでしょう。

この記事では、双極性障害の原因について、遺伝やそのほかの要因にも焦点を当てながら解説します。

双極性障害は遺伝が原因で発症する場合がある

双極性障害の原因は明らかになっていませんが、これまでの研究から「遺伝」が要因の1つであると考えられています。

スウェーデンで行われた研究によると、双極性障害が家族間で遺伝する確率は58％だったと報告されています。

過去に行われた複数の研究でも、双極性障害が高い確率で遺伝すると示されていることから、遺伝が原因の1つであると考えられているようです。

参照：MSDマニュアル/双極症
参照：Jie Song/Bipolar disorder and its relation to major psychiatric disorders: a family-based study in the Swedish population-2015

遺伝以外の双極性障害の原因

双極性障害は、遺伝以外の要因で発症する場合もあります。

・神経伝達物質の調整不良
・精神的なストレス

それぞれ詳しく見ていきましょう。

神経伝達物質の調節不良

双極性障害は、脳内の神経伝達物質の調子不良が原因で起こる場合があります。

神経伝達物質のうちセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどは、人の気分や意欲を調節する役割を持っています。
これらの分泌が不足したり過剰になったりすると、気分をコントロールできなくなる場合があるのです。

双極性障害の治療に使用される「抗精神病薬」や「気分安定薬」は、この神経伝達物質を調節して症状をやわらげています。

参照：MSDマニュアル/神経伝達の障害が関連する疾患の例

精神的なストレス

強い精神的ストレスやショックを受けたり、日頃から不安や焦りを感じ続けていたりすると、双極性障害を発症する可能性があります。

双極性障害は、仕事の悩みや人間関係のトラブルなど、精神的な負担を受ける出来事がきっかけになるケースも珍しくありません。

きっかけとなる大きな出来事がなく、仕事の忙しさが続いている、不安を抱え続けているなどの事情から、気付かないうちに双極性障害を発症する場合もあります。

参照：厚生労働省/こころの耳 双極性障害による休養後、適切な治療と職場配慮により復帰となった事例

親子関係の問題が双極性障害の原因になる？

子どもが双極性障害を発症した場合、親子関係や教育方法に問題が生じている可能性があります。

親からの暴力や暴言、無関心や過干渉などを受けた子どもは、双極性障害をはじめ、さまざまな精神疾患を発症する可能性があるのです。

子どもの双極性障害を防ぎたい場合は、ストレスや不安を与えない環境を心掛けましょう。

双極性障害の遺伝が不安なときの相談先

双極性障害の遺伝を心配しているなら、まずは精神科を受診しましょう。

精神科では、医師による診断基準に基づく評価により、双極性障害を発症しているか診断を受けられます。
早めに受診し双極性障害を発見できれば、スムーズに治療を進められるでしょう。

また、診断が下りた場合は「訪問看護」を利用し、治療や日常生活のサポートも受けられます。

訪問看護では、看護師による服薬管理や日常生活への支援を自宅で受けられるため、外出が難しい方も安心して利用可能です。

家族に対するサポートも受けられるため、親子関係で悩みを抱えている場合も、気軽に相談してみるとよいでしょう。

双極性障害は遺伝やストレスが原因になることも！不安なら専門家へ相談を

双極性障害は、親や親族からの遺伝により発症する場合があります。
確実に遺伝する訳ではないものの、一般的な家庭よりも遺伝する可能性は高くなるため、不安であれば早めに検査を受けることが大切です。

家族に双極性障害の方がおり「気分が安定しない」と悩んでいる場合は、精神科へ相談してみましょう。

『訪問看護ステーションラララ』では、双極性障害に悩む方や、その家族に対するサポートを提供しています。

訪問看護のサポートに興味のある方は『こちら』から、お気軽にご相談ください。