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統合失調症には、幻覚や妄想といった症状だけでなく、陰性症状と呼ばれる症状も現れます。
陰性症状といわれても、どのような症状なのか分からない方もいるでしょう。
本記事では、統合失調症の陰性症状と陰性症状がつらいときの対処法を解説します。
統合失調症の陰性症状について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
統合失調症の陰性症状とは?
統合失調症の陰性症状とは、これまで普通にできていた感情表現や意欲、関心などが弱まってしまう状態を指します。
具体的にどのような症状が出るのか、詳しく解説します。
参照:厚生労働省「統合失調症」
参照:国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「統合失調症」
感情鈍麻
感情鈍麻は、表情や声に感情が現れにくくなる状態です。
喜びや悲しみといった気持ちが表に出づらくなるため、楽しい場面でも笑えなかったり、悲しい出来事でも涙が出なかったりします。
表情も変わらなくなってしまうため、まわりから「なにを考えているか分からない」と誤解されてしまう場合もあります。
意欲減退
意欲減退とは、行動を始める気力が湧きにくくなり、続けるのも難しくなる状態です。
以前は好きだった活動に興味が持てなくなったり、入浴や着替えといった日常の基本的な行動でさえ大きな負担に感じたりする傾向にあります。
思考の混乱
思考の混乱とは、考える力や発想が乏しくなり、会話の幅が狭くなる状態です。
言葉がなかなか浮かばず、会話が短い返答になりやすい場合があります。
また、複雑な話を理解するのに時間がかかったり、集中が長く続かなかったりするため、途中で疲れてしまうケースもあります。
社会的引きこもり
社会的引きこもりは、人と会うこと自体が大きな負担となり、家から出るのが難しくなる症状です。
決して怠けているわけではなく、不安や緊張が強く、外に出るだけで多くのエネルギーを必要とするため、結果的に自室で過ごす時間が増えてしまうのです。
統合失調症の陰性症状がつらいときの対処法
陰性症状への対処には、本人だけで頑張るのではなく、治療と支援を組み合わせるのが重要です。
薬物療法で脳の状態が安定すると、不安や落ち込みが和らぎ、リハビリに取り組みやすい状態になります。
合わせて生活リズムを整えるデイケアや、できることを増やしていく作業療法など、心理社会的支援も効果的です。
陰性症状は改善までに時間がかかるため、焦らず休むのも治療の一部です。
調子のよい日には散歩や音楽鑑賞など、小さな行動を積み重ねることが回復につながるでしょう。
統合失調症の陰性症状がつらいときは訪問看護の利用を検討しよう
統合失調症の陰性症状は、感情が現れにくくなる、意欲が湧かない、考えがまとまりづらい、人と関わることが負担になるなど、日常生活に大きな影響を及ぼします。
陰性症状は本人の努力不足ではなく、病気の症状であり、回復には時間と支援が必要です。
しかし、統合失調症の陰性症状によって、感情の表出が少なくなったり、引きこもってしまったりして通院が難しい場合もあるでしょう。
そんなときは、訪問看護の利用をご検討ください。
訪問看護ステーションラララでは、医師の指示のもと、利用者さまの困りごとや不安に合わせた看護サービスを提供いたします。
統合失調症の陰性症状で外出が難しく自宅でも治療を受けたい方は、ぜひこちらからお気軽にご相談ください。