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「抑肝散」は、気持ちの高ぶりを抑え、眠りをサポートする漢方薬の1つです。
精神疾患に対しても使用される抑肝散ですが、効果や副作用が気になり、使用をためらっている方もいるでしょう。
この記事では、抑肝散の効果や副作用、処方される精神疾患を解説します。
漢方薬の「抑肝散」はどんな薬?
ここでは、抑肝散の効果や服用の目的を詳しく見ていきましょう。
いらだちや不眠を抑えられる
抑肝散の効果は以下の通りです。
・神経の高ぶりやいらだちを抑える
・緊張をやわらげる
・不眠症を軽減する
・幻覚や妄想の症状を抑える
抑肝散は、感情の高ぶりや精神的な緊張をやわらげ、夜間の眠りをサポートする目的で使用される薬です。
また、更年期障害やPMS(月経前症候群)など、ホルモンバランスの乱れによる神経症や不眠の改善を目的として、婦人科で処方される場合もあります。
抗精神薬の代わりに使用される場合がある
抑肝散には、精神的な緊張や不安をやわらげる効果があるため、抗精神薬の代わりとしても使用されます。
精神疾患による不安や気分の落ち込みに対して、抑肝散を使用し症状の軽減を図るケースも少なくありません。
また、精神的ストレスから来る不眠に対しても、抑肝散を使用する場合があります。
抗精神薬などの「西洋薬」には抵抗があるけれど、漢方薬なら受け入れられるという方もいます。
抗精神薬に依存したくない、あるいは西洋薬が体に合わない方にとって、抑肝散は治療の選択肢の1つとなるのです。
関連記事:精神科で漢方薬は使われる?特徴や飲み合わせの注意点も解説
抑肝散が適応となる精神疾患の種類
抑肝散が使用される主な精神疾患は、以下の通りです。
・うつ病
・統合失調症
・不安障害
・認知症
うつ病の抑うつ症状や、統合失調症の妄想・幻覚症状、不安障害全般に起こる神経症や不眠などに対し、抑肝散は幅広く使用されます。
また、近年の研究では、認知症の暴力やせん妄などの症状に対する効果も示唆されています。
出典:宮岡 剛/抑肝散の精神神経疾患への応用.認知神経科学.12巻3+4号. 2010年.p.180-185.
出典:林 要人. 石田 康/BPSDと抑肝散.九州神経精神医学. 58巻3_4号. 2012年. p.133.
抑肝散は低カリウム血症などの副作用に注意が必要
抑肝散は優秀な漢方薬ですが、副作用もあるため、使用には注意が必要です。
抑肝散では以下の副作用が出現する場合があります。
・筋肉痛
・脱力感や倦怠感
・筋肉の痙攣
・むくみ
・息切れ
抑肝散を長期使用すると低カリウム血症になりやすく、それに伴いさまざまな症状が出現する場合があります。
重度になると心臓に負担がかかる可能性もあるため、医師や薬剤師から受けた用法・容量を守って服用しましょう。
参照:厚生労働省/3.使用上の注意の改定について(その254)
抑肝散や漢方薬の服薬管理には訪問看護の利用もおすすめ
精神疾患が原因で服薬の管理が難しい場合は、訪問看護を利用するのも手段の1つです。
訪問看護では、看護師が利用者さまの自宅に伺い、症状や生活リズムに合わせた服薬の管理やアドバイスを行います。
また、服薬以外にも、日常生活のお手伝いや復職支援など、幅広いサポートを受けられます。
精神症状を持つ方は、注意力や判断力の低下から、薬を飲み忘れたり正しく服用できなかったりすることも珍しくありません。
訪問看護を利用し、自分の症状や生活スタイルに合わせた服薬管理を受けることで、抑肝散をはじめとする治療薬の効果を最大限発揮できるでしょう。
抑肝散は精神疾患にも効果が期待できる漢方薬の1つ
抑肝散は、精神疾患にも使用される漢方薬の1つです。
服用することで、不安やいらだち、不眠など、幅広い疾患で見られる精神症状を抑えられる効果が期待できます。
使用する場合は副作用に注意が必要ですが、用法・容量を守って服用できれば、穏やかに過ごす助けとなるでしょう。
漢方薬や精神薬の服用に悩んでいる場合は、訪問看護で服薬管理を受けるのもおすすめです。
『訪問看護ステーションラララ』では、服薬管理をはじめとし、利用者さまが安心して生活するためのサポートを提供しています。
精神疾患で服薬の悩みを抱えている方は『こちら』から、お気軽にお問い合わせください。