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アルコール依存症と入院|判断基準と本人が拒否するときの対応策

2025.11.13 精神科訪問看護とは

アルコール依存症の治療では、入院による治療が必要かもしれないと家族や周囲の方が認識しているものの、本人は入院を拒否しているケースも少なくありません。

家族や身近な人が、アルコール依存症の入院について悩むケースは多く存在します。

そして入院は大きな決断であり、本人の意思や生活、家族のサポート体制も影響します。

この記事では、アルコール依存症で入院が検討される状況の目安や入院治療のメリット、本人が拒否する場合の対応などを解説します。


アルコール依存症と入院の必要性

アルコール依存症の多くは通院で治療を受けられますが、症状が重いケースや生活面の安全を守る必要があるケースは入院が検討されます。

入院の判断には「この数値なら入院」という明確な基準はありません。

身体やこころの状態、生活状況、支援体制などを総合的に見て判断されます。


アルコール依存症で入院が検討されるケース

アルコール依存症で入院が検討されるのは、以下のようなケースです。

■通院が難しい
例:本人に治療の意思がない

■精神症状を伴う
例:うつ状態、自傷・他害のリスクなど

■身体的な合併症がある
例:肝機能障害、栄養失調

■重度の離脱症状がある
例:手の震え、発汗、幻覚

■再飲酒のリスクが極めて高い
例:繰り返し救急搬送される

■社会生活が困難になっている
例:家庭や職場でトラブルが続く

これらはあくまでも目安であり、最終的な判断は医師や多職種のチームによって行われます。

通院での治療については、こちらの記事をあわせてご覧ください。


アルコール依存症で入院するメリット

アルコール依存症で入院するメリットとして、以下が挙げられます。


安全な環境で飲酒をやめられる

入院により、お酒から離れた環境で治療に集中できます。

手の震えや幻覚などの離脱症状が出た場合も、医療スタッフが対応できるため安心です。

入院をきっかけに生活を立て直し、退院後の治療にもつながりやすくなるでしょう。


こころと身体のケアを受けられる

長期間の飲酒は肝臓や脳などに負担をかけ、うつや不安症状を伴うことが少なくありません。

入院中は検査や薬物治療、心理療法を含めた精神的・心理的サポートを受けられます。

体調を整えながらこころのケアもできるため、退院後の生活をスムーズにしやすくなるでしょう。


家族も安心できる

入院により状態が安定することで、家族も安心してサポートしやすくなります。

入院中に症状が落ち着き再発予防のプログラムに取り組むことで、家族も生活の立て直しに向けた準備を進めやすくなるでしょう。

医療機関によっては家族向けのサポート体制があるため、家族も関わり方を学ぶ機会を得やすくなります。


アルコール依存症での本人が入院拒否するケース

本人が強く治療を拒む場合でも、必要に応じて「医療保護入院」により入院治療が行われる場合があります。

医療保護入院が選択されるのは、以下のようなケースです。

・本人が入院に同意できない
・医師が治療や保護が必要と判断した
・自傷他害のおそれがない(ある場合は措置入院)

医療保護入院は本人と周囲の安全を守り、必要な治療につなぐ方法です。

主治医や精神保健福祉センターに相談しながら、安心できる治療を進めましょう。

参照:厚生労働省 医療保護入院制度について


退院後や治療の継続に不安があるときに|訪問看護という選択肢

退院後に不安や飲酒欲求が高まったときは、医師の指示により訪問看護を利用できます。

訪問看護では、自宅で以下のようなサポートを受けることが可能です。

・服薬の管理
・通院継続のサポート
・生活リズムや体調管理の支援
・飲酒欲求への対処方法の相談

訪問看護では自宅で医療とつながりながら、無理のないペースで生活の再建を目指せます。

自宅での支援をご希望のときは、こちらからお気軽にご相談ください。

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