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「飲酒を減らしたいのに続けてしまう」
「生活に影響が出てきた」
そのような場合はアルコール依存症を疑い、精神科や心療内科への相談が必要です。
この記事では、アルコール依存症のおもな治療法と、治療を支える支援などについて解説します。
アルコール依存症のおもな治療
アルコール依存症のおもな治療法として、以下が挙げられます。
心理療法
心理療法は、飲酒に頼らない生活を目指し、考え方や行動のパターンを整える治療です。
例として以下が挙げられます。
■認知行動療法
飲酒につながる考え方や行動のクセに気づき、別の対処法を身につける
■動機づけ面接法
変わりたい気持ちを整理し、無理のない形で治療に向かう準備を整える
■集団療法
同じ課題を持つ人同士で支え合い、回復を維持する力を高める
心理療法は、依存症からの回復を助けるとともに、再発予防にもつながる治療法です。
参照:厚生労働省 アルコール・薬物使用障害の 診断治療ガイドライン
薬物療法
断酒や減酒を続けやすくするため、飲酒欲求や禁酒時の不安を軽減する薬を用います。
■アカンプロサート(レグテクト)
飲酒欲求を抑え、断酒を続けやすくする薬
■ジスルフィラム/シアナミド
飲酒すると不快症状が出ることで、飲酒を抑える薬(副作用に注意)
薬だけに頼るのではなく、心理療法や生活面の支援との併用が効果的です。
入院治療について知りたいときは、こちらの記事をあわせてご覧ください。
参照:厚生労働省 アルコール・薬物使用障害の 診断治療ガイドライン
アルコール依存症の治療目標|断酒と減酒
アルコール依存症の基本的な治療目標は断酒ですが、状態によっては減酒から始めるケースがあります。
具体例は以下のとおりです。
■断酒が必要なケース
重度の依存/合併症がある/生活に支障が出ているなど
■減酒が必要なケース
軽度の依存/合併症や断酒の必要性が少ないなど
アルコール依存症治療では、継続することがもっとも重要とされています。
無理な目標設定によって治療を中断することがないよう、医師と相談しながら進めましょう。
参照:厚生労働省 アルコール・薬物使用障害の 診断治療ガイドライン
アルコール依存症の治療期間
アルコール依存症は、明確に「◯か月で治る」と決められる病気ではありません。
以下のような状況から、治療期間に幅が生じるのです。
・依存の程度
・周囲の支援状況
・身体や精神の状態
・生活環境(仕事・家庭など)
いずれも治療を継続するほど回復が安定しやすく、早期介入が改善につながりやすいとされています。
アルコール依存症を自力で治そうとする前に知っておきたいこと
アルコール依存症は「まだ大丈夫」と思いやすく、ひとりで抱え込み治療が遅れるケースがあります。
その結果、以下のような状況につながるリスクがあるでしょう。
・周囲との関係を断つ
・遅刻や無断欠勤が増える
・飲酒をやめられず家族と衝突する
こうした状況が進む前に医療機関や支援につながることで、再発を防ぎながら回復を目指せます。
自力で治そうと抱え込まず、早めに医療機関に相談しましょう。
参照:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム
自宅で相談できる訪問看護という選択肢
アルコール依存症の回復には、病院での治療に加え日常生活での支援が役立ちます。
通院継続への不安やひとりで治療に向き合うのが心配なときは、訪問看護で以下のようなサポートを受けましょう。
・通院継続の支援
・生活リズムや体調の確認
・飲酒欲求への対処法の相談
訪問看護の利用には医師の指示が必要です。
まずは医療機関に相談し、必要な支援方法を確認しましょう。
訪問看護の利用をご検討の方は、こちらからお気軽にご相談ください。