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双極性障害とADHDには、精神疾患と発達障害という大きな違いがあります。
しかし、二つの間には症状の共通点もあるため、どちらが原因で困っているのかわからない方もいるでしょう。
この記事では、双極性障害とADHDの違いを解説します。
双極性障害とADHDの症状の違い
双極性障害とADHDは、症状に違いと共通点があります。
それぞれの症状について、詳しく見ていきましょう。
双極性障害
双極性障害は、気分が高揚する「躁状態」の時期と、気分が落ち込む「うつ状態」の時期を繰り返す精神疾患です。
躁状態の時期は「過剰に活発になる」「注意力が散漫になる」「喋り出すと止まらなくなる」などの様子が見られるのが特徴です。
一方、うつ状態の時期は消極的になり、ネガティブな思考や行動が目立つようになります。
この二つの時期を交互に繰り返すため、社会活動や人間関係に支障が出てしまう方もいます。
ADHD
ADHDは、生まれつき脳の構造に問題が生じて起こる「発達障害」の1つです。
ADHDでは、以下のような行動や様子が見られる場合があります。
・物事を忘れやすい
・簡単なミスを繰り返す
・つい喋りつづけてしまう
・目の前の物事に集中できない
・仕事を最後までやり遂げられない
・静かにするべきタイミングでもじっとしていられない
ADHD気質を持っている方は「集中力が続かない」「喋りすぎてしまう」など
双極性障害の「躁状態」の時期に似た様子が見られる場合があります。
そのため、もともとADHD気質を持っていた人が双極性障害になっても、すぐに発見できないケースもあるのです。
双極性障害とADHDは併発する場合がある
ADHDはほかの精神疾患と併発する場合があり、双極性障害もその一つです。
2019年に国内で行われた研究によると、双極性障害を発症していた人の18.8%が、ADHDの気質を持っていたと報告されています。
双極性障害とADHDが併発すると、日常生活や社会生活で困るシーンが増え、生きづらさを感じやすくなるかもしれません。
参照:厚生労働省/成人の発達障害に合併する精神及び身体症状・疾患に関する研究
双極性障害とADHDの見分け方
双極性障害とADHDを見分けるポイントの1つとして「うつ状態の有無」があります。
双極性障害の「うつ状態」の時期は、長ければ数か月間続きます。
ADHDの人も、不注意や衝動性に対する気分の落ち込みを感じる場合がありますが、何か月も続くことは多くありません。
また、双極性障害は後天的に起こる精神疾患であるため、もともとなかった躁やうつの症状が見られるようになったかどうかも、判別するポイントとなります。
双極性障害・ADHDの相談先
双極性障害やADHDの疑いがある場合、まずは精神科や心療内科に相談しましょう。
精神科や心療内科では、国際的な診断基準に基づいた検査により、双極性障害やADHDの診断を行います。
心当たりがある場合は早めに受診し、どちらを発症しているか、あるいは併発しているかを明らかにして、適切な治療や支援を受けましょう。
また、いずれかの診断がついた場合、訪問看護ステーションにも相談可能です。
訪問看護では、自宅で双極性障害の症状のケアや、ADHDにおける日常生活のサポート、社会復帰の支援などを受けられます。
気分が安定せず外出できない方や、ADHDの症状から日常生活に困りごとを抱えている方は、訪問看護の利用も検討してみてください。
関連記事:発達障害の方は訪問看護を受けられる?支援内容と得られるメリットを解説
双極性障害とADHDの悩みは専門家に相談しよう
双極性障害とADHDには「疾患」と「発達障害」の違いがありますが、一部の症状に共通点もあり、併発に気づきにくい場合もあります。
どちらが原因で日常生活に支障が出ているのかを判別し、日常生活を送りやすくしたい場合は、早めに精神科や訪問看護へ相談してみてください。
『訪問看護ステーションラララ』では、双極性障害やADHDの方に対する個別のサポートを提供しています。
訪問看護のサポートに興味のある方は『こちら』から、お気軽にお問い合わせください。