統合失調症を発症する原因の1つに、脳内物質の「ドパミン」が関わっているとする「ドパミン仮説」があります。
人の活動に不可欠なドパミンですが、その機能の異常が統合失調症の一因となる場合もあるのです。

この記事では、統合失調症の原因となるドパミン仮説について解説します。
ドパミン仮説に基づく統合失調症の対処法（治療法）や、ストレス軽減による予防の考え方も解説しているので、ぜひご覧ください。

統合失調症の原因と言われている「ドパミン仮説」とは

ドパミン仮説とは、脳内の神経伝達物質である「ドパミン」が、統合失調症を発症する原因の1つであるとする説です。

この仮説の根拠の1つが、統合失調症の治療に使われる「抗精神病薬」の作用です。

抗精神病薬は、ドパミン受容体（ドパミンと結びついて神経を伝達するもの）を遮断し、精神症状をやわらげる効果を発揮します。

この働きから「ドパミンが過剰になると統合失調症を発症するのではないか」と考えられ、ドパミン仮説が唱えられているのです。

関連記事：統合失調症の原因とは？考えられる3つの要因を解説

統合失調症の人がドパミン過剰になる理由

統合失調症の方がドパミン過剰になるのは、環境や人間関係から受けるストレスが原因と考えられています。

ドパミンは、脳がストレスをやわらげようとしてドパミンを分泌します。
苦しさや不安などの感情が出現した場合、ドパミンを分泌して感情を落ち着かせようとするためです。

長期的にストレスを受け続けたり、強いストレスを感じ取ったりしてしまうと、ドパミンが過剰に分泌され、妄想や幻覚など統合失調症の症状を発症してしまうのです。

参照：MSDマニュアル/統合失調症

ドパミン過剰による統合失調症の予防法

ドパミン過剰を予防し、統合失調症を予防するには、以下の方法があります。

・発症リスク高まる要因を理解する
・ストレスの少ない環境で生活する

詳しく見ていきましょう。

発症リスクの高まる要因を理解する

統合失調症は、以下の要因があると発症しやすくなると言われています。

・遺伝的な要因
・薬物の使用
・脳の病気や妊娠

上記の条件に当てはまる場合は、統合失調症を発症しやすくなると理解しておくことで、早期のサインに気付けるでしょう。

関連記事：統合失調症は遺伝するの？発症の要因やなりやすい人の特徴を解説

ストレスの少ない環境で生活する

統合失調症は、日常生活や仕事から受けるストレスが原因で発症する場合があります。

人間関係の悩みや将来への不安などを抱えてしまうと、ストレスが溜まり、ドパミンも分泌されやすくなってしまうでしょう。

自分に合った職場への転職や、疲れない人間関係の構築など、ストレスの少ない環境で生活するのが予防に繋がります。

ドパミン過剰による統合失調症の対処法

ドパミン過剰による統合失調症は、精神科や心療内科で診断を受けることが大切です。

薬物療法や精神療法などの専門的な治療により、少しずつ症状の改善とドパミンの調整を行います。

専門医に相談し、統合失調症を発症した原因や、どのような治療を受けるべきかを明らかにしましょう。

また、統合失調症と診断された場合は、訪問看護を利用するのも手段の1つです。
訪問看護では、服薬の管理や日常生活のサポートなどを受けられ、ドパミンの調整と原因となるストレスの軽減が期待できます。

統合失調症の克服を目指す方は、訪問看護の利用も検討してみてください。

参照：MSDマニュアル/統合失調症

ドパミン過剰を対策して統合失調症を克服しよう

ドパミンは私たちの生活に欠かせない神経伝達物質ですが、過剰になると統合失調症を発症する可能性があります。
ストレスを減らしたり、発症リスクについて理解を深めたりして、統合失調症を克服しましょう。

『訪問看護ステーションラララ』では、統合失調症のケアや日常生活のサポートを提供しています。
統合失調症の克服を目指す方は『こちら』から、ぜひお気軽にご相談ください。