精神疾患やホルモンバランスの乱れにより、気分の落ち込みやいらだちを感じている方もいるでしょう。

そのような症状には、漢方薬の「加味逍遙散」の服用が役立つ可能性があります。

この記事では、加味逍遙散の効果や副作用、服用の注意点について解説します。

加味逍遙散は精神疾患の治療に使われる漢方の1つ

加味逍遙散（かみしょうようさん）は、不安障害やうつ病など、精神疾患の症状をやわらげるのにも使用される漢方薬の1つです。

この薬は、主に精神的に不安定な状態にあり、体力の低下や不眠症などの、いわゆる「不定愁訴」を抱えている方に処方されます。

精神疾患による気分の変動や不眠症に対しても処方されており、適切に服用できれば、精神症状をやわらげられる場合もあります。

漢方薬は、抗精神薬などに比べると、効果が出るまで時間がかかる場合がありますが、薬に頼らず症状の改善を目指す場合は、選択肢の1つとなるでしょう。

参照：厚生労働省/一般用漢方製剤製造販売承認基準について
関連記事：精神科で漢方薬は使われる？特徴や飲み合わせの注意点も解説

加味逍遙散の効果・効能

加味逍遙散の主な効果や効能は、以下の通りです。

・不安やいらだちの軽減
・肩こりや冷えの軽減
・不眠症の解消
・ホルモンバランスの調整

それぞれ詳しく見ていきましょう。

不安やいらだちの軽減

加味逍遙散には、不安や感情の乱れを抑え、気分を落ち着ける効果があります。

日常生活や仕事で受けたストレス、不安障害などの精神疾患が原因で、慢性的に不安やいらだちを感じるようになる方も珍しくありません。

そのようなケースでは、加味逍遙散の服用で気分が安定し、穏やかな気持ちで生活できる場合があります。

肩こりや冷えの軽減

加味逍遙散は、肩こりや冷え性などに対して効果が見られる場合もあります。

これは、加味逍遙散に血行を促進する成分が含まれているためです。

日頃の疲れはもちろん、精神疾患で肩こりなどの身体症状が出現しているケースで使用するのもよいでしょう。

不眠症の解消

加味逍遙散は、不眠症にも効果が見られる場合があります。

精神疾患には、不安障害や双極性障害など、睡眠の質に影響する病気も多いです。

加味逍遙散の精神不安や自律神経に働きかける効果により、不眠症が改善する場合もあるでしょう。

ホルモンバランスの調整

加味逍遙散は、ホルモンバランスの調整にも効くと言われています。

特に、更年期障害や月経前症候群、産後のホルモンバランスの乱れなど、女性特有の不調に効果的です。

服用によって周期的に訪れるイライラや「のぼせ」が抑えられ、日常生活が過ごしやすくなるでしょう。

加味逍遙散の副作用と注意点

加味逍遙散は、以下の副作用に注意しながら服用するのがポイントです。

・発疹
・発赤
・かゆみ
・肝機能障害
・腸間膜静脈硬化症
・吐き気と腹部の不快感　

上記の副作用が感じられた場合は、すみやかに服用を中止し、医師に相談しましょう。
漢方薬には同じ効果・効能を持つ薬が複数あるため、身体に合わない場合は、違う種類に変更も可能です。

また、加味逍遙散をはじめとする漢方薬は、大量に摂取したからといって効果が出やすくなるものではありません。

服用する量やタイミングは、医師の処方や薬剤師の説明に従い、適切に服薬管理を行いましょう。

参照：厚生労働省/一般用漢方製剤製造販売承認基準について

加味逍遙散を適切に服用して精神症状をやわらげよう

加味逍遙散は、気分を安定させ、睡眠の質を向上させる漢方薬の1つです。

うつ病や不安障害などによる精神不安や気分の高ぶり、不眠症に悩んでいる方は、加味逍遙散によって症状をやわらげられる可能性があります。

医師から処方された場合は、副作用や服用の方法に気を付けつつ上手に服用し、精神症状や不眠症の改善を目指しましょう。

ただし、精神症状に悩む方は、漢方薬や治療薬の管理が難しく、服薬や治療が思うように進まない場合も。
そのようなケースでは、訪問看護で服薬管理を受けるのも選択肢の1つです。

『訪問看護ステーションラララ』では、看護師が自宅に伺い、利用者さまの状況に合った服薬管理を提案いたします。

薬に関する悩みだけでなく、精神疾患のケアや日常生活のお手伝いなど、さまざまなサポートも提供可能です。

訪問看護のサポートに興味がある方は『こちら』から、お気軽にご相談ください。