統合失調症と診断され、社会生活の自立に不安を感じている方もいるでしょう。
統合失調症では、社会生活で生じる困りごとや、利用できる支援を理解しておけば、社会復帰を目指せます。

この記事では、統合失調症で生じる社会生活の困りごとと、自立に向けて受けられる支援を解説します。

統合失調症で生じる社会生活の困りごと

統合失調症になると、社会生活で不便や困りごとを感じる場合があります。
ここでは、統合失調症が社会生活に与える影響を見ていきましょう。

身のまわりのことが自立できなくなる

統合失調症になると、幻覚や妄想などの症状から、身のまわりのことができなくなる場合があります。

症状の重い方は、常に見えないものが見えたり、耳元で誰かに話しかけられたりなどの錯覚から、規則正しい生活が送れなくなる場合があるのです。

また、考えがまとまらなくなる症状から、家事や買い物、お金の管理などができなくなる場合もあります。

やる気や気力がわかなくなる

統合失調症では、物事に対するやる気や気力がわかなくなる「陰性症状」も出現します。

家事や身の回りの世話だけでなく、仕事や勉強など社会生活に必要な行動ができなくなるケースも珍しくありません。

外出や出勤ができなくなる

妄想や幻覚に悩まされたり、意欲が低下したりし、外出や出勤が難しくなる方もいます。

出勤できず収入が途絶えた場合や、通院できなくなった場合は、生活を維持するのも難しくなるかもしれません。

人間関係に問題が生じる

統合失調症になると、他人に傷つけられたと錯覚する「被害妄想」が出現したり、幻聴で悪口が聞こえたりし、攻撃的になる場合があります。

その結果、人間関係に問題が生じてしまい、職場や学校などの社会生活の場で苦労する場合もあるのです。

統合失調症は支援を受ければ社会生活の自立を目指せる

統合失調症であっても、支援を活用しながら、自立した社会生活を送っている方もいます。

ここでは、公的機関や専門家から受けられる支援を詳しく見ていきましょう。

公的機関による支援

統合失調症の診断がついた場合、公的機関が提供するさまざまな支援を受けられます。

・精神保健福祉手帳
・自立支援医療
・就労移行支援　など

精神症状によって仕事ができず困っている、通院したくてもお金がなくて苦しいなどの場合は、公的機関の支援を活用すると生活が安定しやすくなるでしょう。

ただし、これらの支援を利用するには、医師から精神疾患の診断を受ける必要があります。
また、申請してから制度の利用開始まで時間がかかる場合もある点に注意してください。

関連記事：統合失調症の方が受けられる福祉サービスは？医療・生活・仕事を支える制度を紹介

専門家による支援

統合失調症の専門家から支援を受けるのも、社会生活の自立に役立ちます。

精神科医や、地域の保健所や精神保健福祉センターに所属する専門家へ悩みを相談し、社会生活自立に向けたアドバイスを受けるとよいでしょう。

参照：こころの情報サイト/統合失調症

訪問看護による支援

より直接的な支援が必要な方は、訪問看護を利用するのも手段の1つです。

訪問看護では、看護師が自宅に訪問し、一人ひとりの症状や生活に合わせたケアやサポートを行います。

外出が難しい方や、治療のための服薬管理が難しい方、他人とのやり取りに自信のない方でも安心して利用可能です。

統合失調症は支援を活用して社会生活の自立を目指そう

統合失調症になると社会生活へ復帰できるか悩むかもしれません。
しかし、公的機関や専門家の支援を受ければ、症状と付き合いながら生活することも可能です。
統合失調症から社会生活への復帰を目指す方は、支援を上手に活用して、自立した生活を目指してみてください。

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