訪問看護は、医療保険や介護保険を利用して受けられますが、訪問回数には上限があります。
訪問回数の制限は、保険の種類や病状によって異なるため、制度を正しく理解するのが大切です。
本記事では、医療保険、介護保険それぞれの訪問看護の上限回数を解説します。
訪問看護の訪問回数に上限はある?
訪問看護は、医療保険か介護保険かによって訪問回数の上限が異なります。
医療保険と介護保険で、それぞれ何回利用できるのか解説します。
医療保険の場合は1日1回・週に3回まで
精神科の疾患で訪問看護を利用する場合は、医療保険となります。
医療保険で訪問看護を利用する際は、原則として1日1回、週に3回までが上限です。
ただし、以下に当てはまる場合は、1日1回以上、週3回以上の利用が認められます。
・厚生労働大臣が定める者(別表第7、8)
・特別訪問看護指示書の交付を受けた者
それぞれの場合について、解説します。
厚生労働大臣が定める病気や状態に当てはまるケース
厚生労働大臣が定める病気や状態は、別表第7と第8という表にまとめられています。
これらの表に記載されている項目に当てはまる場合は、上限回数以上、訪問看護が利用できます。
別表第7と第8に記載されている病気や状態は、以下のとおりです。
別表第7 | 別表第8 |
・末期の悪性腫瘍 ・多発性硬化症 ・重症筋無力症 ・スモン ・筋萎縮性側索硬化症 ・脊髄小脳変性症 ・ハンチントン病 ・進行性筋ジストロフィー症 ・パーキンソン病関連疾患 ・多系統萎縮症 ・プリオン病 ・亜急性硬化性全脳炎 ・ライソゾーム病 ・副腎白質ジストロフィー ・脊髄性筋萎縮症 ・球脊髄性筋萎縮症 ・慢性炎症性脱髄性多発神経炎 ・後天性免疫不全症候群 ・頸髄損傷 ・人工呼吸器を使用している状態 |
①在宅悪性腫瘍等患者指導管理、在宅気管切開患者指導管理を受けている または気管カニューレ、留置カテーテルを使用している ②以下のいずれかを受けている ・在宅自己腹膜灌流指導管理 ・在宅血液透析指導管理 ・在宅酸素療法指導管理 ・在宅中心静脈栄養法指導管理 ・在宅成分栄養経管栄養法指導管理 ・在宅自己導尿指導管理 ・在宅人工呼吸指導管理 ・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理 ・在宅自己疼痛管理指導管理 ・在宅肺高血圧症患者指導管理 ③人工肛門または人工膀胱を設置している |
参照:厚生労働省「訪問看護」
医師から特別訪問看護指示書が発行される条件
医師が「特別訪問看護指示書」を発行すると、週4日以上の訪問看護が可能になります。
特別訪問看護指示書は、通常の訪問看護指示書とは別に発行され、頻回な看護が必要な重症心身障害者などに活用されます。
使用できるのは原則として月に1回までで、最長で14日間、有効です。
介護保険の場合は明確な上限なし
介護保険での訪問看護は、回数に明確な上限はありません。
しかし、利用できるサービスには要介護度に応じた支給限度額が設けられています。
そのため、限度額を超えて利用した分はすべて自己負担となる点に注意が必要です。
1日に2回以上利用するときのルール
同じ日に2回以上訪問看護を受ける場合、原則として各訪問の間に2時間以上空ける必要があります。
2時間未満の間隔で訪問すると、まとめて1回の訪問の扱いとなります。
ただし、緊急対応や20分未満の短時間訪問、または看護師と理学療法士など職種が異なる場合は例外です。
条件によって扱いが変わるため、事前に制度の詳細を確認しましょう。
訪問看護の利用回数を把握して最大限活用しよう
訪問看護の訪問回数の上限は、医療保険と介護保険で異なります。
医療保険では原則週3回までですが、特定疾患や医師の特別指示書があれば回数を超えて利用可能です。
介護保険には明確な回数制限はないものの、支給限度額を超えると自己負担となります。
訪問看護ステーションラララでは指示書の回数に従い、その中で利用者さまに合わせた看護サービスを提供いたします。
訪問看護の利用を検討している方は、こちらからお気軽にご相談ください。