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過去に経験したつらい出来事が「PTSD」や「トラウマ」として残り、日常生活に支障が出る方も少なくありません。
「トラウマを思い出して動悸がする」「人と話すのが怖い」などの症状がある場合は、早めの診断と治療が大切です。
この記事では、PTSDやトラウマを抱えている方に見られる症状のチェックリストやセルフケアの方法を解説します。
PTSDとは?
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、命に関わる出来事や重大なトラウマ体験を経験した後に生じる精神的な障害です。この障害は、過去の出来事が強い感情や行動の変化を引き起こし、日常生活に支障をきたすことが特徴です。
具体的には、トラウマとなる出来事が繰り返し思い出される「フラッシュバック」や、緊張状態が続く「過剰な警戒心」、感情のコントロールが困難になる「感情の鈍麻」などの症状が見られます。
また、PTSDは誰にでも起こり得るものであり、自然災害や事故、暴力、戦争体験、大切な人の喪失など、さまざまな出来事が引き金となります。しかし、適切な診断と治療、セルフケアを通じて、症状の軽減や回復を目指すことが可能です。本記事では、PTSDの診断方法やセルフケア法、治療の選択肢について詳しく解説します。
参照:厚生労働省/こころの耳 用語解説 PTSD(心的外傷後ストレス障害)
PTSD診断テストで確認すべき症状チェックリスト
以下の項目に当てはまるか確認してみましょう。このリストは医師の診断を補助するものであり、最終的な診断は専門医による診察が必要です。
・フラッシュバック
トラウマ体験が突然鮮明に蘇る現象。特定の場所や音、匂いが引き金になることが多い。
・過剰な警戒心
周囲の出来事や人に対して常に緊張を感じる状態が続く。
・感情の鈍麻
喜怒哀楽を感じにくくなり、孤立感が強まる。
・悪夢や睡眠障害
トラウマに関連する夢を何度も見る、あるいは眠れない日が続く。
・回避行動
トラウマに関連する場所や出来事、人を避けるようになる。
トラウマの影響を確認するセルフチェック
過去につらい出来事を経験した方は、以下のセルフチェックに当てはまるか確認してみましょう。
・つらい出来事を思い出すと強い恐怖や不安を感じる
・その出来事を思い出すような場所や人を避けてしまう
・気づくと体が緊張してリラックスできない
・悪夢や動悸が繰り返し起こる
上記の項目に複数当てはまる場合、長期的にトラウマの影響を受けている可能性があるため、早めに専門家への相談を検討してみてください。
PTSDを引き起こす主な原因とリスク要因
PTSDは以下のような出来事や経験がきっかけで発症することがあります。
・重大な事故や災害
交通事故や地震などの自然災害の被害者。
・戦争や暴力行為の被害
戦争体験や家庭内暴力(DV)、性的暴力など。
・突然の喪失
大切な人を失う経験。
トラウマとなる出来事は人によって異なり、それに対する感情の反応も個人差があります。
PTSDの治療方法
PTSDの治療では、以下のようなアプローチが用いられます。
・カウンセリング(心理療法)
カウンセリングと「認知行動療法」などの心理療法により症状の緩和を目指します。
・薬物療法
抗うつ薬や抗不安薬の使用は、気分の安定や症状の緩和に役立ちます。
・リラクゼーション法
深呼吸や運動などのリラクゼーションで精神を落ち着けます。
・訪問看護
自宅の落ち着いた環境でのケアにより、一人ひとりの症状に合わせた治療やサポートを行います。
PTSD・トラウマから回復するためのセルフケア方法
PTSDの回復にはセルフケアも大きな役割を果たします。
トラウマに悩んでいる方は、日常生活に以下の方法を取り入れてみてください。
・規則正しい生活習慣
睡眠や食事のリズムを整えることで副交感神経が安定します。
・リラックスできる時間を持つ
ヨガや軽い運動、アロマテラピーなどを活用しましょう。
・ジャーナリング(出来事の記録)
自分の体験や感情を紙に書き出し、整理する習慣を持つ。
・安心できる環境の確保
トラウマ体験を思い出させる要素を避け、安全な空間を作ることが大切です。
ただし、セルフケアだけで症状を緩和するのには限界があります。
自分だけでは難しいと感じたら、専門家のサポートを受けるのも検討しましょう。
PTSDとうつ病や他の精神疾患との関係
PTSDはうつ病や不安障害、統合失調症など他の精神疾患と深い関連性があります。
トラウマ体験によるストレスが交感神経の過剰反応を引き起こし、これらの疾患を併発するリスクが高まります。
PTSDやトラウマを抱える方への訪問看護のサポート
PTSDやトラウマから日常生活に支障が出ている場合、訪問看護のサポートを受けるのも手段の1つです。
訪問看護では、看護師が自宅に訪問し1対1でケアを行います。
症状が強く外出や通院が難しい方や、緊張するとトラウマが呼び起こされてしまう方も、自宅で落ち着いて治療を受けることが可能です。
治療以外にも、服薬の管理や日常生活のサポート、家族へのアドバイスなども受けられるため、トラウマの克服に向けて大きな支えになるでしょう。
PTSD・トラウマで悩む方は訪問看護による支援も検討してみて
PTSDやトラウマは、フラッシュバックなどの症状として長期間影響し続ける場合があります。
自分で克服するのが難しい場合は、医師や専門家からのサポートを受け、トラウマに振り回されない生活を目指しましょう。
『訪問看護ステーションラララ』では、PTSDやトラウマに悩んでいる方が安心して生活できるようサポートを提供しています。
PTSDやトラウマの症状で自宅から出るのが難しい方は『こちら』から、ぜひお気軽にご相談ください。