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家族が訪問看護を拒否したら?本人の同意なしでも利用できるのか

2025.07.09

家族が訪問看護を拒否したら?本人の同意なしでも利用できるのか

はじめに:訪問看護を拒否されるケースが増えています

精神科訪問看護は、精神疾患を抱える方が地域で安心して暮らすための重要な支援手段の一つです。しかし現場では、「家族が訪問看護を拒否している」「本人の同意が得られない」といった理由で、利用が難航するケースも少なくありません。この記事では、訪問看護を拒否された場合の対応方法や、本人・家族へのアプローチ、そして制度上の判断ポイントについて詳しく解説します。

訪問看護とは?精神科訪問看護の基本をおさらい

訪問看護の役割と目的

訪問看護とは、看護師や精神保健福祉士などの専門職が、利用者の自宅に訪問し、医師の指示に基づいた看護や支援を提供するサービスです。精神科訪問看護では、主に精神疾患を抱える患者さんを対象に、服薬管理、症状の観察、日常生活の支援、社会資源の活用サポートなどが行われます。

訪問看護ステーションとスタッフの役割

訪問看護を提供するのは「訪問看護ステーション」です。ここでは看護師、保健師、精神保健福祉士などの資格を持った職種が在籍し、それぞれの専門性を生かした支援を展開します。特に精神疾患のケースでは、信頼関係の構築や精神的な安心感を重視したケアが求められます。

なぜ拒否されるのか?よくある理由と背景

本人が拒否する理由

・自分が病気であるという認識が乏しい(病識がない)
・他人が家に来ることへの不安や不信感
・過去の医療経験からくるトラウマ
・症状による被害妄想や恐怖感

家族が拒否する理由

・家に他人が入ることへの抵抗
・プライバシーや日常生活への影響を懸念
・本人が落ち着いているため、必要ないと判断している
・訪問看護がどのような支援を行うのか理解していない

拒否の背景には、不安や誤解、知識不足があるケースが多く、丁寧な説明や傾聴が重要です。

本人・家族の同意がない場合、訪問看護は利用できるのか?

本人の同意が原則

訪問看護は医療サービスであるため、原則として本人の同意が必要です。特に精神科の場合、本人の意思を尊重する姿勢は制度上も倫理的にも重視されます。ただし、病状が重く判断力に問題がある場合は、医師や主治医の判断を基に、家族や後見人の同意で利用が検討されるケースもあります。

家族の同意と役割

精神科訪問看護は自宅を訪問するため、家族の協力が不可欠です。たとえ本人が同意していても、家族が強く拒否している場合は、円滑な支援提供が難しくなります。こうした場合、訪問看護ステーションが家族と連携しながら、必要性を丁寧に説明し、理解を促す働きかけが必要です。

拒否された場合の対処法

丁寧な説明と関係構築

訪問看護の目的、具体的な支援内容、時間や頻度、費用(療養費)の仕組みなどをわかりやすく説明することが第一歩です。利用者や家族が不安を抱くのは当然であり、スタッフの姿勢や言葉の選び方が信頼関係を築くカギになります。

主治医・病院との連携

入院中や退院後の訪問看護導入をスムーズに行うためには、病院側との連携が欠かせません。主治医や医療ソーシャルワーカーと連携し、適切なタイミングでの介入や提案を行うことで、患者さん・家族の納得感を高めることができます。

初回訪問を「顔合わせ」にとどめる方法

本格的な支援に入る前に、まずは「挨拶」「ご説明のみ」といった初回訪問を設定することで、拒否感を和らげることがあります。精神的なハードルを下げ、段階的に支援を導入する姿勢が有効です。

訪問看護導入で得られる安心とメリット

・精神疾患の再発・悪化を早期に察知
・生活リズムの安定と社会参加への支援
・家族の精神的負担の軽減
・地域での自立した生活の促進

一人で抱え込まず、専門職の支援を受けることで、日々の生活が少しずつ変化し、前向きになれるケースが多くあります。

実際の現場でよくあるケース紹介

ケース1:母親が拒否していたが、丁寧な説明で受け入れへ

息子さんが統合失調症を患っており、退院後の生活が不安定。母親は「家に来られるのは面倒」「なんとか私が世話をする」と拒否していましたが、訪問看護の内容や頻度を具体的に説明し、段階的に支援を導入することで、現在は定期訪問が行われています。

ケース2:本人が暴力的で訪問が困難、主治医と連携して対応

本人の症状が悪化し、家族にも暴言・暴力がある状況。直接的な訪問は難しかったが、主治医との連携を強化し、服薬管理の徹底と病状悪化時の対応方法を明確にしておくことで、再入院を防ぎつつ安全に支援を継続しています。

まとめ:拒否されたときこそ、支援の始まりです

訪問看護が拒否された場合でも、そこには何かしらの「理由」があります。それを丁寧に紐解き、支援の必要性を伝え、関係を築いていくことが精神科訪問看護の本質ともいえます。「無理」と決めつけず、可能性を少しずつ開いていく——そのために、訪問看護ステーションは専門性と経験を持って寄り添います。

精神科訪問看護ステーションラララからのご案内

ラララでは、拒否や不信感がある方・ご家族にも配慮したアプローチを心がけています。まずはお電話やお問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。どんな状況でも、あなたに合った支援方法を一緒に考えていきます。

興味のある方は、こちらからお問い合わせください。

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