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統合失調症に良い食べ物とは?症状改善に役立つ栄養と食事内容

2025.09.15 精神科訪問看護とは

統合失調症に良い食べ物とは?

統合失調症の方は、栄養バランスが乱れ、心身の不調や肥満などの症状が出現する場合があります。
症状の悪化を予防し改善を目指すためには、適切な食事内容や栄養バランスを心掛けるのがポイントです。

この記事では、統合失調症の症状改善や悪化予防に役立つ栄養と、積極的に摂取すると良い食事の内容を解説します。


統合失調症と食事の深い関係

統合失調症は、幻覚や妄想、感情の平坦化、思考の混乱といった精神症状を中心とする複雑な精神疾患です。
精神科での診断後、治療薬によるアプローチが主となりますが、近年では「栄養療法」や「食事改善」が症状の改善に役立つと注目されています。

この病気は遺伝、ストレス、発達障害、生活習慣などさまざまな要因が重なって発症する可能性があり、食生活の乱れが悪化の原因のひとつになることもわかってきました。

日本を含む多くの国の研究でも、栄養バランスの良い食事が精神症状の緩和に寄与することが明らかになっています。

統合失調症で症状や食欲の波を抑えたい場合、適切な食事を行うのがポイントになるケースもあります。
また、統合失調症の早期改善を目指し、治療や服薬以外の方法を探している方にとっても、生活に取り入れやすい食事療法は有効な手段の1つとなるかもしれません。

参考:厚生労働省/こころの耳 食事を楽しむ(食う)


統合失調症の症状と栄養の関係

統合失調症の主な症状には以下のようなものがあります。

  • ・幻覚(例:誰もいないのに声が聞こえる)
  • ・妄想(現実とは異なる強い信念)
  • ・思考の混乱、集中力の低下
  • ・感情の平坦化(喜怒哀楽の乏しさ)
  • ・意欲の低下、無気力



これらの症状が出現する背景には、脳内の神経伝達物質の不足や、ビタミン・ミネラルなどの栄養素不足があると考えられています。

たとえば、気分を安定させる作用を持つ「マグネシウム」の不足は、無気力を招く原因の1つです。

統合失調症の悪化を予防するには、脳機能に関わる栄養素が不足しないよう、食事内容に気を付けるのがポイントとなります。


統合失調症に良い食べ物とその効果

ここでは、統合失調症の各症状に対し、どのような食品や栄養素が有効とされているのかを詳しく紹介します。

食べ物 栄養 効果
タラ
マグロ
その他魚介類
DHAやEPA
  • 陽性症状や陰性症状をやわらげる
米やパン
レバー など
ビタミンB群
  • 神経伝達物質の合成に関わる
  • 集中力をサポートする
  • 感情を安定させる
アセロラ
パセリ
緑茶 など
抗酸化物質
(ビタミンCなど)
  • 脳の酸化ストレスを抑える
  • 精神機能を安定させる
かき(海産物)
海藻類 など
ミネラル
(マグネシウムなど)
  • 精神症状を緩和する

牛乳
大豆食品
トリプトファン
  • セロトニンを合成する
  • 感情を安定させる
キムチ
味噌
ヨーグルト
その他発酵食品
乳酸菌
  • ストレスを緩和する

上記の栄養素を積極的に摂取できれば、統合失調の発症や悪化を予防できる可能性があります。
ただし、体調を崩す可能性もあるため、どの栄養素も過剰摂取しないよう注意が必要です。

参照:文部科学省/食品成分データベース


栄養素が及ぼす精神症状への影響

統合失調症の方は、特に以下の栄養素が不足しやすいと報告されています。

  • ・ビタミンB6・B12・葉酸:神経伝達物質の働きを助ける。
  • ・ビタミンD:うつ症状の緩和にも関係。
  • ・亜鉛・マグネシウム:ストレス耐性を高める。
  • ・オメガ3脂肪酸:脳内の炎症抑制。



これらの不足は、統合失調症の症状から生じた偏食や食欲の波が原因となる場合が多いです。

また、不健康な生活習慣や、治療薬の副作用による肥満などから、栄養失調となる方も珍しくありません。


食事療法の実践方法と注意点

食事療法を行う場合、以下のポイントを意識すると良いでしょう。

・極端な食事制限を避け、バランスの取れたメニューを心がける
・加工食品を控え、新鮮な食品を中心にする
・不足しがちな栄養素はサプリメントで補う

できるだけバランス良く栄養を摂取するためにも、ジャンクフードや加工食品は避けるのが大切です。
一人暮らしで自炊をする時間がない場合や料理が苦手な場合は、手軽に食べられる食品(納豆やキムチ、フルーツなど)を食べたり、冷凍の野菜を活用したりすると良いでしょう。

なお、1人で食生活を変えるのが難しい場合は、家族や支援者と一緒に取り組むことが大切です。
精神科医や栄養士、訪問看護師とも連携しながら取り組めば、自己判断での過剰摂取も防げます。

参照:農林水産省/ちょうどよいバランスの食生活


統合失調症と併発しやすい精神疾患との関係

統合失調症は、うつ病や不安障害、PTSD、双極性障害などと併発することが少なくありません。

うつ病との併発

統合失調症患者の約半数がうつ病を経験するとされます。陰性症状との見分けが難しく、正確な診断と治療が必要です。

不安障害・PTSDとの関連

幻覚や妄想によるストレスが、不安障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こすことがあります。フラッシュバックや過覚醒が症状を悪化させるケースもあるため、早期の対応が不可欠です。

双極性障害との区別

統合失調感情障害など、両者の症状を併せ持つ病態も存在します。極端な気分の上下と幻覚・妄想が見られる場合は専門的な検査・診断が必要です。


訪問看護と食事療法の連携

食事療法に自分だけで取り組むのが難しい場合、訪問看護を利用するのも手段の1つです。

訪問看護では、統合失調症の患者に対し、1対1での支援やアドバイスを提供します。
1人では偏りがちな食生活の相談はもちろん、服薬や栄養の管理、生活リズムの調整など、さまざまなサポートも可能です。

統合失調症における悩みや不安を抱えている方や、食事と栄養の管理に困っている方は、気軽に利用を検討してみましょう。


統合失調症の治療は食事と栄養のバランスも重要

統合失調症では、食欲の変化や栄養不足、治療の副作用による栄養バランスの乱れなどが生じる場合があるため、食事管理が重要となります。
悪化を防ぎ、早期の改善を目指すためにも、食事と栄養のバランスに気を付けながら治療を進めましょう。

自分だけでは食事を管理できない方も、専門家と一緒なら安心して取り組めます。
『訪問看護ステーションラララ』では、統合失調症のケアや食事に対するアドバイスを提供可能です。

統合失調症の症状や食事について1人で悩んでいる方は『こちら』から気軽にご相談ください。

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