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統合失調症の家族を「見捨てたい」と感じるのは薄情?限界を感じたときの選択肢

2026.04.03 精神科訪問看護とは

統合失調症の家族を「見捨てたい」と感じることは異常ではない

統合失調症を抱える家族のケアを続けるなかで、「もうこれ以上は無理」「いっそのこと見捨ててしまいたい」と思ってしまい、ご自分を責めて苦しんでいませんか。

まずお伝えしたいのは、そのように感じることは決して薄情なことでも、異常なことでもないということです。

統合失調症は、幻覚や妄想といった症状によりコミュニケーションが難しくなったり、ときには暴言や暴力が現れることもある病気です。このような状況が長期間続けば、心身ともに疲れ果て、「逃げ出したい」と思うのは当然の反応です。

あなたが今の状況から逃れたいと感じるのは、家族への愛情がなくなったからではありません。それは、ご自身の心と体が限界に達しているという大切なSOSのサインです。まずは自分を責めるのをやめて、ありのままの気持ちを受け入れることから始めてみてください。

参照:厚生労働省

 

家族が「もう面倒を見られない」と感じる背景

なぜここまで家族は追い詰められてしまうのでしょうか。その背景には、統合失調症ならではの困難があります。

長期にわたる介護で心身が消耗している

統合失調症は、症状が落ち着くまでに時間がかかり、良くなったり悪くなったりを繰り返すことも少なくありません。日々のサポートを何年も、場合によっては十数年も続けることで、どんな方でも心身のエネルギーが尽きてしまいます。

病識のない本人との関係に疲弊している

統合失調症では、本人が「自分は病気だ」と認識できない(病識の欠如)ケースが多く見られます。受診や服薬を勧めても拒否されたり、被害妄想から家族を敵視されてしまうこともあり、その「通じなさ」がご家族の心を深く傷つけ、関係を絶ちたいという思いを強くします。
関連記事:被害妄想がある方への対応方法は?症状や原因となる病気も解説

経済的な負担が家族の生活を圧迫している

治療費や入院費だけでなく、本人が働けないことによる生活費の負担がご家族の生活を圧迫しているケースも多く見られます。将来への経済的不安が、ご家族を精神的にさらに追い込むことも少なくありません。

関連記事:統合失調症の家族に疲れたら

自分の人生を犠牲にしている感覚がある

本人のケアを最優先するあまり、ご自身の仕事や趣味、人間関係、人生の目標をあきらめてきた方も多いでしょう。「このまま一生、病気に振り回されて終わるのか」という絶望感は非常に重いものです。
関連記事:統合失調症の家族に疲れたと感じたら|ストレスの原因と家族を守る対処法

距離を置くための選択肢を知る

「もう面倒を見切れない」と感じたとき、選択肢は「我慢して共倒れになる」か「完全に縁を切る」かの二択だけではありません。その中間にある、「適切な距離を置き、支援を外部化する」という選択肢もあります。

物理的に距離を取ることは「責任放棄」ではない

同じ家に居続けることで感情のコントロールが難しくなることがあります。別居や、本人がグループホームなどの施設に入居するなど、物理的に距離を置くことは責任放棄ではなく、お互いが安全に暮らすための「適切な処置」です。離れることで、冷静な家族関係を取り戻せる場合もあります。

入院治療という選択肢

本人の症状が不安定で、自宅での生活が難しい場合は、入院治療という選択肢もあります。病院での適切な治療は、本人の回復に繋がるだけでなく、ご家族が一時的に心身を休める機会にもなります。

関連記事:精神科の入院基準とは?強制的な入院の条件と在宅でできる支援方法を解説

訪問看護など在宅支援を活用して家族の負担を減らす

「家族が見なければならない」と抱え込まず、精神科訪問看護や各種在宅支援サービスを積極的に活用することも大切です。看護師や精神保健福祉士といった専門職が定期的に訪問し、服薬管理や体調の確認などを担ってくれますので、ご家族の負担軽減につながります。プロによる支援チームにケアの一部や見守りを任せることで、家族は介護の重圧から解放され、より穏やかな関係に戻れます。具体的な接し方や落ち着かせる工夫については、下記の記事もご参照ください。

関連記事:統合失調症の方を落ち着かせる方法|症状別の対応と接し方
関連記事:統合失調症の迷惑行為はなぜ起こる?困ったときの対処法と相談先

行政の相談窓口(精神保健福祉センター・保健所)に頼る

地域の精神保健福祉センターや保健所には、精神保健福祉の専門家がいます。今の辛い状況を正直に話し、どんな支援があるのか、家族が距離を取るにはどんなステップが必要なのか、具体的にアドバイスを受けてみてください。

参照:厚生労働省「統合失調症」

距離を取ったあとも本人の生活を支える仕組みはある

「自分が離れたら、本人はどうなるのだろう」という不安もあるかと思います。しかし、現代の福祉制度には家族がいなくても本人を支える仕組みが整っています。

本人が利用できる福祉サービスや支援制度

自立支援医療(精神通院医療)や精神障害者保健福祉手帳、障害年金、生活保護など、医療費や生活費の負担を軽減するための様々な制度があります。これらを活用することで経済的な不安が和らぎます。詳細や申請方法は、下記の記事を参考にしてください。

関連記事:統合失調症の方が受けられる福祉サービスは?医療・生活・仕事を支える制度を紹介

家族以外の支援者で本人を支える体制とは

主治医、訪問看護師、相談支援専門員、グループホーム職員など多職種が連携し「チーム」で本人を支える体制をつくることができます。家族が全てを担う必要はありません。支援チームにバトンを渡すことでも、本人の生活を守ることは十分可能です。

まとめ

「家族から離れたい」という思いは、これまで十分過ぎるほど努力されてきた証です。

共倒れはご家族にとっても、ご本人にとっても一番避けたい事態です。「もう限界」と感じた時には、迷わずご自身の人生を守る選択をしてください。ご自身の幸せを、病気を理由に諦める必要はありません。

まずは保健所や精神保健福祉センター、精神科訪問看護ステーションなどの専門機関に相談し、今の状況を「外部化」する一歩を踏み出してください。あなた以外の誰かが支える仕組みは、必ずあります。
参照:こころの情報サイト(国立精神・神経医療研究センター)

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