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統合失調症の認知機能障害とは?生活への影響と家族ができること

2026.06.27 精神科訪問看護とは

統合失調症の治療を続け、目立った症状は落ち着いてきたはずなのに、ご本人の「物忘れが増えた」「約束を守れない」「段取りがうまく立てられない」といった生活上の変化に気づき、戸惑いを感じられているご家族もいらっしゃるかもしれません。この記事では、統合失調症の症状の一つである「認知機能障害」について、日常生活への影響や、ご家族としての関わり方のポイントを整理して解説します。

認知機能障害とは何か

統合失調症の症状として広く知られているものには、現実にはないものが見えたり聞こえたりする幻覚や、事実とは異なることを強く信じ込んでしまう妄想といった「陽性症状」と、物事に対する意欲や関心が低下し、感情の動きが乏しくなる「陰性症状」があります。これらに加えて、統合失調症には第三の主要な症状として「認知機能障害」というものがあると考えられています。

認知機能障害とは、新しいことを覚える記憶力や、特定のことに意識を向ける注意力、そして物事を論理的に考え、計画を立てて実行する機能などが低下する状態を指します。陽性症状のように外から見てわかりやすい症状とは異なり、ご本人の思考や情報の処理に関わる部分の低下であるため、周囲からは見えにくく、見過ごされやすい側面があるとされています。

なお、「認知機能が低下する」という表現から、高齢者に多い「認知症」を連想されるかもしれませんが、これらは似た言葉であっても原因や状態の経過が異なる別の症状であると整理されています。統合失調症における認知機能障害は、ご本人がこれまで持っていた能力や生活のスキルが全く失われてしまうのではなく、情報の整理や処理のスピードが落ち、持っている能力をうまく使いこなすのが難しくなっている状態であると考えられています。

日常生活でどのように現れるか

認知機能障害が生じると、日常生活のさまざまな場面でその影響が見られるようになります。

例えば、記憶力の低下によって「ついさっき聞いたばかりのことを忘れてしまう」「家族との約束や通院の予定をうっかりすっぽかしてしまう」といったことが増える傾向があります。また、注意力が散漫になることで、「一つの作業に集中し続けることが難しい」「周囲の音や出来事に気を取られて、今やっていたことを忘れてしまう」といった様子が見受けられることがあります。

さらに、物事を順序立てて実行する機能が低下することで、「料理などの複数の工程がある作業の段取りがうまく立てられない」「想定外の出来事が起きたときに、臨機応変な対応ができず混乱してしまう」といった困りごとが生じやすくなるとされています。

ご家族から見ると、約束を守らなかったり、簡単なはずの作業がうまくできなかったりする姿は、「わざとやっているのではないか」「単にやる気がないから怠けているだけではないか」と映るかもしれません。しかし、これらはご本人の元々の性格や努力不足によるものではなく、あくまで統合失調症という病気による認知機能障害という「症状」の一つとして現れていると理解することが大切とされています。

認知機能障害への対応・リハビリテーションの考え方

認知機能障害に対するアプローチとして、低下した認知機能そのものを補ったり、生活上の困りごとや社会生活での支障を減らしたりすることを目的としたリハビリテーションの取り組みが存在するとされています。

医療機関や関連施設で行われるものとして、例えば、同じ悩みを持つ人たちと集団で活動しながら生活のリズムを整え、対人関係のスキルを学ぶ「デイケア」の利用が挙げられます。また、手芸や木工、軽作業などの具体的な作業を通じて、集中力や作業の段取りを立てる力を養う「作業療法」も、リハビリテーションの一環として行われることがあります。

さらに、対人関係やコミュニケーションの場面で生じる困難を減らすために、実際の生活場面を想定した役割練習(ロールプレイ)などを通じて社会生活で必要な技能を身につける「SST(社会生活技能訓練)」と呼ばれるプログラムが提供されていることもあります。これらのリハビリテーションは、ご本人の現在の状態や生活上の目標に合わせて、無理のない範囲で継続的に取り組むことが回復につながると考えられています。

家族としてできる関わり方

ご家族が認知機能障害のあるご本人と接する際、最も重要なのは、ご本人の行動を「怠け」や「わざと」と捉えず、病気による症状の一つであると理解する姿勢を持つことだとされています。

約束を忘れたり、段取りが悪かったりする姿を見ると、ついイライラして「どうしてできないの」「何度言ったらわかるの」と叱責してしまいたくなるかもしれません。しかし、ご本人自身も「以前はできていたことがうまくできない」という現実に直面し、戸惑いや自信の喪失を感じている場合が多いと言えます。そのため、過度な期待を押し付けたり、できないことを厳しく指摘したりすることは、ご本人の不安やストレスを強め、状態を悪化させる要因になりかねないとされています。

ご家族としては、ご本人の現在のペースや情報処理のスピードに合わせ、焦らずに温かく見守る姿勢が求められます。周囲がゆとりを持って接し、ご本人が安心感を持って過ごせるよう配慮する心構えが大切と考えられています。ご家族の温かい理解とゆとりを持った関わりが、ご本人の安心感につながり、回復を支える大きな土台となると言えるでしょう。

訪問看護との関わり

統合失調症の治療や生活のサポートにおいて、訪問看護ステーション ラララをはじめとする精神科訪問看護が関わることがあるとされています。症状が目立つ時期に限らず、状態が落ち着いている時期も含めて、継続的に関わっていく存在として位置づけられています。

相談先

ご本人の生活の様子に関する不安や、ご家庭での関わり方について迷った場合は、いくつかの専門的な窓口に相談することが可能とされています。

まずは、現在受診されている医療機関の主治医や医療ソーシャルワーカーへの相談が挙げられます。ご本人の現在の医学的な状態や治療の経過を最もよく把握しているため、その時々の状況に応じた適切なアドバイスや、リハビリテーションの導入について検討してもらうことができると考えられています。

また、より広範な生活の悩みや、ご家族自身のサポートについては、地域の精神保健福祉センターなどが専門の相談窓口としての役割を担っているとされています。これらの相談先を、ご自身の状況や知りたい情報に合わせて効果的に活用していくことが大切と言えます。

一人で抱え込まずに相談を

統合失調症に伴う症状や生活上の悩みについて、一人で抱え込まずに相談できる場所があります。

まずは相談だけでも構いません。

こちらからお気軽にご相談ください。

参照:こころの情報サイト「統合失調症」

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