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「何度注意されても同じミスをしてしまう」「人とのコミュニケーションがうまくいかず、トラブルになりやすい」といった日々の生活や仕事での悩みから、「もしかして自分は発達障害なのではないか」と考え、インターネットなどで情報を探している方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、大人の発達障害に関するセルフチェックの限界や、発達障害の一般的な特性、そして自身の傾向に気づいたときの相談先について整理して解説します。
セルフチェックだけで発達障害かどうかは分かるのか
発達障害に関する情報が広く知られるようになり、インターネット上には自身の傾向を確認するためのさまざまなセルフチェックが用意されています。しかし、チェックリストに当てはまる項目が多いからといって、それだけでご自身を発達障害だと判断することはできないとされています。
発達障害の特性は、ストレスや疲労、あるいはうつ病や不安障害といった他の精神的な不調によって一時的に似たような状態が現れているケースもあり、表面的な回答だけで原因を特定することは非常に困難と考えられています。逆に、当てはまる項目が少なくても、日常生活の中で無意識のうちに工夫や無理をして特性をカバーしている場合があり、「チェックがつかないから発達障害ではない」とも言い切れないとされています。
そのため、セルフチェックはあくまで「自分にはどのような傾向や苦手な部分があるのか」に気づくためのきっかけの一つとして捉えることが大切とされています。最終的な診断は、医師がご本人の現在までの生活状況や困りごとなどを丁寧に聞き取った上で、専門的な見地から総合的に行われるものであると整理されています。
大人の発達障害にはどのような特性があるのか
大人の発達障害にはいくつかの種類があり、それぞれに見られる特性の傾向が異なるとされています。代表的なものとして、ADHD、ASD、LDの三つが挙げられます。
ADHD(注意欠如・多動症)は、主に不注意や衝動性といった特性が現れやすいとされています。大人になってからは、じっと座っていられないといった多動性は目立ちにくくなる傾向がありますが、仕事でケアレスミスを繰り返してしまったり、忘れ物や紛失が多かったり、あるいは順番を待てずに衝動的な発言をしてしまったりといった形で、日常生活に支障が出ることがあると考えられています。
ASD(自閉スペクトラム症)は、対人関係やコミュニケーションの難しさと、特定の物事への強いこだわりが特徴として挙げられます。相手の表情や言葉の裏にある意図を読み取ることが苦手で、悪気なく不適切な発言をして人間関係のトラブルにつながりやすいとされています。また、急な予定変更など、いつもと違う状況に対して強いストレスや混乱を感じやすいという傾向も見受けられます。
LD(学習障害)は、全般的な知的な遅れはないものの、「読む」「書く」「計算する」といった特定の能力の習得や使用に著しい困難を示すとされています。仕事の場面で、文章を読んで理解するのに極端に時間がかかったり、簡単な計算ミスを頻繁に繰り返してしまったりすることで、業務に支障をきたす場合があると考えられています。
これらの特性は、必ずしもどれか一つだけに当てはまるわけではなく、複数の特性を併せ持っているケースも少なくないとされています。また、同じ診断名であっても、特性の現れ方やその強さには大きな個人差があるのが一般的と考えられています。
自分の特性に気づいたら、どうすればいいか
ご自身の特性や傾向に気づき、日々の生活や仕事で大きな支障を感じている場合は、精神科や心療内科といった専門の医療機関に相談することが選択肢の一つとなります。
実際に医療機関を受診する際には、現在どのようなことで困っているのかという状況に加えて、これまでの生活や仕事の場でどのようなつまずきがあったかという過去の経過を医師に伝えることが、スムーズな相談につながるとされています。例えば、子どもの頃から集団生活でなじめなかった経験や、働き始めてから特定の業務でミスが続いているといった具体的なエピソードを整理して伝えることで、医師が特性を把握するための重要な手がかりになると考えられています。ご自身の記憶だけでなく、もし可能であれば、これまでの様子を知るご家族から見た客観的な情報などを参考にすることで、より正確な状況を伝えやすくなるとされています。
医療機関で専門的な診断を受けることは、ご自身の特性をより深く、客観的に理解するための助けになるとされています。自分の苦手なことやその理由が明確になることで、「単なる努力不足ではなかった」と納得でき、精神的な負担が軽くなる場合があると考えられています。また、診断を受けることで、ご自身の特性に合った環境調整の方法を見つけやすくなったり、必要に応じて公的な支援制度を活用したりするきっかけになることも期待されます。受診には勇気がいるかもしれませんが、現在の生きづらさを和らげるための道筋を探る手段として、検討してみるのも一つの方法と言えるでしょう。
訪問看護との関わり
発達障害の特性に伴う生活上の困りごとについて、精神科訪問看護が関わることがあるとされています。症状が落ち着いている時期も含めて、継続的に関わっていく存在として位置づけられています。
相談先
ご自身の特性に関する悩みや、今後の生活について不安を感じた際は、目的に応じていくつかの専門的な窓口に相談することが可能とされています。
まず、医学的な診断や治療方針について相談したい場合は、発達障害の診療を行っている精神科や心療内科が主な窓口となります。現在すでに通院している場合は、主治医に具体的な困りごとを伝えることが第一歩となります。
また、まだ医療機関を受診するかどうか迷っている段階であったり、仕事や日常生活における具体的な困りごとについて幅広く相談したいといった場面では、各都道府県や政令指定都市に設置されている「発達障害者支援センター」を利用することができます。ここでは、発達障害の特性ゆえに生じる職場の人間関係の悩みや、日々の生活を営む上での難しさなどに対して、専門の相談員がご本人の状況に合わせたアドバイスを提供し、必要に応じて適切な支援機関や医療機関への橋渡しを行っているとされています。就労に向けた準備や、現在の職場で働き続けるための工夫など、生活に密着した具体的な相談にも向いている窓口と考えられています。
さらに、発達障害の特性に伴って二次的に強い気分の落ち込みや不安といった精神的な不調が現れている場面や、ご本人のみならずご家族としての関わり方について深く悩んでいる場面、あるいは利用できる広範な福祉制度全般について詳しく知りたいといった場面では、各地域にある「精神保健福祉センター」が重要な相談先となります。精神保健福祉センターでは、こころの健康に関する幅広い専門的な見地から、今後の生活を安定させるための総合的なサポートや情報提供を受けることができると考えられています。ご自身の現在の悩みや、最も解決したい課題に合わせて、これらの専門機関を効果的に使い分けながら活用していくことが大切と言えます。
一人で抱え込まずに相談を
発達障害に関する悩みや今後の生活について、一人で抱え込まずに相談できる場所があります。
まずは相談だけでも構いません。お気軽にご連絡ください。
在宅医療、精神科訪問看護に興味のある方は、こちらからお気軽にご相談ください。
参照:こころの情報サイト