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自分や身近な人が、激しい感情の波や人間関係の不安定さに悩み、「これは一体何なのだろうか」と戸惑いを感じていませんか。そのような状態が続いている場合、「境界性パーソナリティ障害」という精神疾患の可能性が考えられます。この記事では、境界性パーソナリティ障害とはどのような状態なのか、特徴や原因の考え方、治療の基本について全体像を解説します。
境界性パーソナリティ障害とは
ボーダーラインパーソナリティ症(境界性パーソナリティ障害)は、人間関係、自己像、気分、行動の不安定性と、拒絶されたり見捨てられたりする可能性に対する過敏性を特徴とする精神疾患です。周囲との関係や自分自身の感情をコントロールすることが難しくなり、日常生活にさまざまな影響をもたらします。
主な特徴
境界性パーソナリティ障害の症状は、大きく分けて感情、対人関係、自己像、行動の4つの領域に現れます。感情の面では、気分の波が非常に激しく、些細なことで強い怒りや不安を感じることがあります。対人関係の面では、相手を理想化したかと思えば突然強く批判するなど、極端な評価を繰り返して関係が不安定になりやすい状態です。自己像の面では、自分がどのような人間なのかという感覚が定まらず、慢性的な空虚感を抱えやすくなります。行動の面では、自分を傷つけるような衝動的な行動が見られることがあります。つらい気持ちが強いときは、ひとりで抱え込まず、医療機関に相談してください。
見捨てられ不安の背景
境界性パーソナリティ障害の大きな特徴として、相手から拒絶されたり、見捨てられたりすることを強く恐れる「見捨てられ不安」があります。その背景には、孤独になりたくないという切実な気持ちが隠れています。こうした見捨てられることへの過敏性は、境界性パーソナリティ障害の特徴の一つとして挙げられます。
原因の考え方
境界性パーソナリティ障害の発症原因は、一つに特定できるものではありません。一般的には、生まれ持った気質などの要因と、幼少期を含む環境の要因が重なって関わると考えられています。特定の親や育て方のせいだと決めつけられるものではなく、様々な要因が複雑に絡み合って生じる状態です。
診断と受診の目安
境界性パーソナリティ障害の診断は、人間関係や自己像、気分の頻繁な変化、自己破壊的で衝動的な行動など、具体的な症状に基づいて精神科などの医師によって下されます。症状の現れ方には個人差があるため、インターネットなどの情報をもとに自己判断で決めつけることはできません。感情や行動のコントロールが難しく、日常生活や人間関係に支障が出ている場合は、早めに医療機関へ相談して客観的な評価を受けてください。
治療の基本
境界性パーソナリティ障害の主な治療法は、精神療法です。特定の精神療法を通じて、自分を傷つける行動を減らし、抑うつを和らげ、日常生活をより円滑に送る助けになります。認知行動療法の一つとして、感情を制御することと社会的技能の向上に重点を置く「弁証法的行動療法」などが用いられることもあります。また、必要に応じて症状を和らげるための薬剤が補助的に用いられることもあります。
経過の見通し
境界性パーソナリティ障害の症状は、生涯にわたって続くものとは限りません。ボーダーラインパーソナリティ症などは、加齢とともに症状が軽減したり、消失したりする傾向があることが分かっています。焦らずに時間をかけて治療に取り組み、安心して過ごせる環境を整えていくことが大切です。
まとめ
境界性パーソナリティ障害は、感情や人間関係の不安定さ、見捨てられることへの強い不安などを特徴とする精神疾患です。生まれ持った気質と環境の要因が重なって発症すると考えられており、精神療法を中心とした治療によって日常生活を円滑に送るための支援が行われます。加齢とともに症状が軽減する傾向もあるため、自分や周囲の人だけで抱え込まず、専門の医師に相談して治療に結びつけることが重要です。
まずは相談だけでも構いません。こちらからお気軽にご連絡ください。
参照:MSDマニュアル