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仕事が続かないという悩みは、回避性パーソナリティ障害と関係があるのでしょうか。診断基準に仕事が続かないことを示す項目はありませんが、対人的な接触を伴う仕事上の活動を避けるという項目はあります。
回避性パーソナリティ障害とは
回避性パーソナリティ障害は、拒絶、批判、または屈辱を受けるリスクのある社会的状況や交流を回避することを特徴とする精神疾患です。診断はDSM-5-TRの基準に基づき行われます。7項目のうち4つ以上が持続的に見られること、かつ症状が成人期早期までに始まっていることが条件となります。診断は専門の医師が総合的に行うものです。
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仕事の悩みと診断基準の特徴
診断基準の7項目は仕事に限ったものではなく、人との関わり全般に関する内容です。 ここで紹介する言葉は、診断基準の記述の内容を仕事の場面に当てはめて言葉にした例であり、実際に仕事で聞かれる訴えを調べた結果ではありません。
人と接する仕事の場面を避けたくなる(項目1)
批判・拒絶・嫌われることへの恐れから、対人的な接触を伴う仕事上の活動を避けるという項目です。言葉にした例は、「批判されるかもしれないから、人と接する業務はなるべく避けたい」となります。
好かれていると確信できないと、関わりにくい(項目2)
好かれていると確信できない限り、人と関わりたがらないという内容です。言葉にした例は、「自分を受け入れてもらえると分かるまでは、職場の人に話しかけないでおこう」となります。
批判や拒絶が頭から離れない(項目4)
社会的な場面で批判されること、拒絶されることにとらわれているという項目です。言葉にした例は、「上司や同僚にどう思われているかが、ずっと頭から離れない」となります。
新しい職場で引っ込み思案になる(項目5)
自分には能力が欠けていると感じ、新しい対人関係の場面で引っ込み思案になるというものです。言葉にした例は、「新しい職場の人たちの前では、控えめにしていよう」となります。
新しい仕事や活動を避けたくなる(項目7)
恥ずかしい思いをする可能性があるため、リスクをとったり新しい活動に参加したりすることを避けたがるという項目です。言葉にした例は、「恥をかくかもしれないから、新しい仕事は引き受けない」となります。
仕事が続かないことと診断の関係
回避性パーソナリティ障害の診断基準となる7項目のなかに、仕事が続かないことを示す項目はありません。診断は専門の医師が総合的に行うものであり、仕事が続かないという悩みだけで診断が決まるものではありません。
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治療と相談の入口
精神療法では、社交恐怖症と回避性パーソナリティ障害がみられる場合に、社会的な技能の習得に焦点を置いて集団で行う認知行動療法や、同じ問題を抱える人たちによる集団療法が有効な場合があります。他者への過敏さに慎重に対応する支持的な個人療法は有益です。根底にある葛藤に焦点を置く精神力動的精神療法が役立つこともあります。
薬物療法では、SSRIなどの抗うつ薬や抗不安薬が、不安を和らげ、新しい社会的状況に対処できるようにするのに役立つことがあります。
回避性パーソナリティ障害の人は、治療を避ける場合もあります。
関連記事:回避性パーソナリティ障害の治し方|精神療法・薬物療法と治療の進め方
受診を考える目安
人との関わりにおける不安や恐れによって日常生活に支障をきたし、苦しさを感じている場合は、精神科・心療内科などの専門の医療機関への相談を検討してください。
パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで、本人が苦しんだり、周囲が困ったりする場合に診断されます。医師が疑う根拠のひとつは、苦痛を感じていることや、日常的な役割を十分に果たせないことです。
診断の際、医師は問診を行います。問診では、自分や他者をどう捉えているか、自分の行動への否定的な反応にどう対処しているかなどを尋ねます。友人や家族から情報を聞くことがあります。
治療では、経験が豊富で、決めつけをせず、患者の自己像、心の繊細な部分、普段の対処方法を理解できる専門家を選ぶことが重要とされています。パーソナリティ障害の治療では、比較的長期にわたって、患者と治療者が協力して対応を続けることがしばしば必要になります。
仕事の相談ができる窓口
仕事の悩みについては、医療機関のほかに、仕事探しや就職を支援する公的な窓口もあります。
ハローワークには、障害について専門的な知識をもつ担当者が、仕事の情報提供や就職相談に応じる体制があります。職業相談では、仕事の探し方、履歴書の書き方、適性や面接での自己説明について相談できます。障害者向けの求人情報が提供されます。応募時には、配慮が必要な事項をハローワークから企業に説明します。希望すれば、担当者が面接に同行することもできます。
専門的な援助者が就職先を訪問し、職場に適応できるよう支援するジョブコーチ制度があります。生活面を含む幅広い支援を希望する場合は、障害者就業・生活支援センターが案内されます。
地域障害者職業センターでは、障害者への専門的な職業リハビリテーションサービスの提供、事業主への雇用管理に関する相談・援助、地域の関係機関への助言・援助を行います。職業評価、職業訓練、就職後の電話や訪問による継続支援を受けられます。
就労移行支援は、就労を希望し、一般企業に雇用されることが可能と見込まれる障害者を対象に、就労に必要な知識と能力の向上のための訓練を行うサービスです。
自分が利用できるかどうかは、各窓口に問い合わせて確認する方法があります。
まとめ
回避性パーソナリティ障害の診断基準に、仕事が続かないことを示す項目はありません。この記事の例は、診断基準の内容を仕事の場面に当てはめた例です。診断は専門の医師が総合的に行います。苦しさや日常生活への支障がある場合は、専門の医療機関への相談を検討してください。また、仕事の相談ができる公的な窓口もあります。
まずは相談だけでも構いません。こちらからお気軽にご連絡ください。
参照:MSDマニュアル