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強迫性障害を抱えながら日々の生活を送るなかで、「何度も確認してしまう」「汚れが気になって手洗いをやめられない」といった症状により、生活や仕事に大きな困難を感じている方は少なくないようです。そのような辛い状況において、公的なサポートを受けることはできないのかと考えたとき、「障害者手帳」や「障害年金」といった制度の存在を知り、自分や家族もその対象になるのだろうかと疑問に思うことがあるかもしれません。この記事では、強迫性障害と精神障害者保健福祉手帳の関係性、そしてよく混同されがちな障害年金との違いについて、成人の読者に向けて詳しく解説していきます。
精神障害者保健福祉手帳とはどのような制度か
精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患によって日常生活や社会生活に何らかの制限や困難を抱えている方に対して、自立した生活や社会参加を促進し、支援を行うことを目的として設けられている公的な制度であるとされています。この手帳を取得することで、社会の中で様々なサポートや配慮を受けやすくなるという仕組みが整えられているようです。
多くの方が誤解しやすい点として、「特定の精神疾患の診断名がつけば、自動的に手帳の対象になる」「あるいは、この病気だから対象外になる」というように、病名だけで一律に取得の可否が決まるわけではないということが挙げられます。精神障害者保健福祉手帳の判定において最も重要視されるのは、単なる診断名の有無ではなく、その疾患の症状が「現在の日常生活や社会生活、就労において、どれほどの具体的な支障や制限をもたらしているか」という実態の部分だとされています。
そのため、同じ疾患を抱えている方であっても、症状が安定しており日常生活にほとんど影響が出ていない状態であれば対象とならない場合がありますし、逆に症状が重く、周囲のサポートがなければ生活を維持することが難しい状況であれば、対象として認められる場合があるのです。つまり、一人ひとりの現在の生活の実情に照らし合わせて、専門的かつ総合的に判断される制度であると言えます。
強迫性障害は手帳の対象になるのか
それでは、強迫性障害という疾患は精神障害者保健福祉手帳の対象になり得るのでしょうか。結論から言えば、強迫性障害であっても、症状の程度や日常生活への支障度合いによっては、手帳の取得対象となる場合があると考えられています。
強迫性障害は、自分でも不合理だとわかっているのに頭から離れない不快な考え(強迫観念)と、その不安をどうにかして打ち消すために繰り返してしまう行為(強迫行為)を特徴とする疾患だとされています。この症状が進行すると、例えば、外出前に戸締まりやガスの元栓を何十回も確認しなければ家を出られなくなったり、汚れに対する過剰な恐怖から何時間も手を洗い続けたり、入浴に膨大な時間を費やしたりすることがあるようです。このような状態に陥ると、本人は極度の精神的疲労を感じるだけでなく、結果として仕事や約束の時間に遅刻が常態化してしまったり、家事などの日常的なタスクが全く手につかなくなったりするなど、社会生活や家庭生活に深刻な支障が生じていくとされています。
また、特定の場所や状況を過度に恐れて避けるようになる回避行動や、同居する家族に対して自分と同じような確認や清潔行動を強要してしまう「巻き込み」といった症状が現れることもあり、人間関係や社会とのつながりが著しく制限されてしまうケースも少なくないようです。
このように、強迫性障害の症状によって一日の大半の時間が奪われ、本来の社会生活を営むことが著しく困難になっており、長期にわたって日常生活に大きな制限が加わっていると認められる場合には、手帳の交付対象として評価される可能性があると言えます。症状の重さや、本人がどれほど生活のしづらさを抱えているかが、対象となるかどうかの重要な判断基準になっているのです。
「障害者手帳」と「障害年金」は別の制度
公的な支援制度について調べるなかで、「障害者手帳」と「障害年金」という二つの言葉を目にすることがあるかもしれません。これらは名前が似ているため、同じ制度であると混同されたり、手帳を持っていれば自動的に年金も受け取れると思われたりすることがあるようですが、実際には根拠となる法律や目的、そして審査の基準が全く異なる「別の制度」であるとされています。
障害者手帳は、先述の通り、自治体などを通じて交付され、社会生活上のさまざまなサポートや配慮を受けるための証明となるものです。一方の障害年金は、病気やケガによって生活や仕事が制限されるようになった場合に、国から支給される「所得の保障」を主たる目的とした年金制度であるとされています。そのため、手帳を取得できたからといって年金が受給できるとは限らず、それぞれに対して別個に手続きや審査が行われる仕組みになっているようです。
強迫性障害に関する制度上の一般的な扱いとして、強迫性障害や不安障害などのいわゆる「神経症」に分類される疾患群は、原則として障害年金の支給対象外とされることが多いとされています。しかし、人間の心の状態は複雑であり、一つの疾患が他の疾患を引き起こすことも珍しくありません。例えば、強迫性障害の症状による長期間の極度なストレスや社会生活の困難さが引き金となり、重いうつ病や他の精神疾患を二次的に併発してしまうケースがあると考えられています。このように、強迫性障害単独ではなく、他の対象となる精神疾患を併発しており、全体として精神病の病態を示していると医師によって判断された場合には、例外的に障害年金の対象として審査される状況になりうるとされています。
手続きについて知っておきたいこと
精神障害者保健福祉手帳の申請を検討する場合、どのような手続きを踏めばよいのか不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。手続きを進めるためには、一般的に主治医による専用の診断書の作成などが必要になるとされています。
しかし、詳しい手続きの流れや、ご自身の現在の症状が申請の要件を満たしているかどうかについては、個人の病状や通院の期間などによって大きく状況が異なるため、個別性が非常に高いと言えます。そのため、インターネット上の一般的な情報だけで自己判断するのではなく、まずは現在治療を受けている精神科や心療内科の主治医、あるいは通院先の医療ソーシャルワーカーに相談することが推奨されます。また、お住まいの自治体の障害福祉を担当する窓口でも、制度の詳しい案内や手続きの手順について確認することができるようです。
仕事との関わりの中で手帳を考える
強迫性障害を抱える成人の方が精神障害者保健福祉手帳の取得を具体的に検討する背景には、仕事の継続や働き方の調整といった社会生活上の切実な悩みが関係していることが多いようです。
症状の影響により、これまでのペースで働くことが難しくなったり、過度な疲労によって休職を余儀なくされたりした場合、今後のキャリアをどのように築いていくかは大きな課題となります。そのような転機において、手帳を取得することで、企業側にあらかじめ自身の障害特性や配慮してほしい事項を伝えたうえで働く、障害者雇用枠での就労という選択肢が広がる可能性があるとされています。
もちろん、手帳を取得したからといって、現在の職場に必ず報告しなければならないというわけではなく、どのように制度を活用していくかは本人の意思に委ねられているようです。ご自身の症状の波と上手く付き合いながら、無理のない範囲で社会とのつながりを持ち続けるために、手帳という公的なサポートを一つの安心材料として検討してみるのも、生活を立て直すための有効なアプローチだと言えます。
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強迫性障害の治療や生活のサポートについて
強迫性障害の治療や生活のサポートにおいて、精神科訪問看護が関わることがあるとされています。症状が落ち着いている時期も含めて、継続的に関わっていく存在として位置づけられています。 訪問看護ステーション ラララも、そうした専門的なサポートを行う機関の一つです。
まとめ
強迫性障害による確認行為や不潔恐怖といった症状は、時に一日の大半を奪い、仕事や日常生活に多大な困難と苦痛をもたらすことがあるとされています。そうした生活のしづらさを抱えている場合、症状の程度や社会生活への支障度合いによっては、精神障害者保健福祉手帳の交付対象となる可能性があるようです。
また、障害者手帳と障害年金は全く異なる目的と基準を持った制度であり、強迫性障害単独では年金の受給が難しいとされる一方で、他の精神疾患を併発している場合などには状況が変わる可能性があることも、知識として押さえておきたいポイントです。
公的な支援制度は、病気によって生じた生活の困難を少しでも和らげ、再び自分らしい歩みを進めるための大切なサポートだと言えます。ご自身やご家族だけで悩みを抱え込むのではなく、主治医や自治体の専門窓口に現在の困りごとを率直に相談し、活用できる制度がないか一緒に探っていくことが、生活の安定に向けた大切な一歩になるのです。
まずは相談だけでも構いません。こちらからお気軽にご相談ください。
参照:こころの情報サイト