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統合失調型パーソナリティ障害は、名前に「統合失調」とつきますが、統合失調症とは区別される疾患です。親密な関係への強い居心地の悪さ、思考や知覚の歪み、風変わりな行動が広くみられるパターンを特徴とします。
統合失調型パーソナリティ障害とは
統合失調型パーソナリティ障害は、親密な関係への強い居心地の悪さと関係を築く能力の低さ、思考や知覚の歪み、風変わりな行動が広くみられるパターンを特徴とする精神疾患です。統合失調型パーソナリティ症と表記されることもあります。
パーソナリティ障害は、本人に重大な苦痛をもたらすか、日常生活に支障をきたす思考、知覚、反応、対人関係のパターンが長期的かつ全般的にみられる精神疾患です。統合失調型パーソナリティ障害は、その一つです。
統合失調型パーソナリティ障害の特徴
統合失調型パーソナリティ障害の特徴は、人間関係への影響、奇妙な思考と行動、知覚の歪みの3つに分けて説明されています。
人間関係への影響
第1度近親者を除いて、親しい友人や相談相手がいません。人と関わることに強い居心地の悪さを感じ、他者とは異なりどこにも属していないと感じるため、交流を好みません。人間関係がないことで、不幸だと述べることもあります。
社会的な状況、特に不慣れな場面で強い不安を感じ、その状況に慣れても不安は和らぎません。視線を合わせないなど基本的な社会的慣習を無視したり、社会的な手がかりを理解しなかったりするため、交流がぎこちなく、よそよそしくなることがあります。
奇妙な思考と行動
日常の出来事が自分にだけ特別な意味をもつと考える「関係念慮」がみられることがあります。他者を魔術的にコントロールできると考える魔術的思考、他者が自分に危害を加えようとしていると考える疑い深さ、超能力をもつと考えることもあります。
話し方が抽象的すぎたり具体的すぎたりし、奇妙な言い回しを使うことがあります。服装がだらしなかったり奇妙だったりすることや、奇妙な癖がみられる場合もあります。
知覚の歪み
見ること、聴くこと、感じることなどの知覚が歪むことがあります。たとえば、自分の名前をささやく声が聞こえることがあります。
統合失調型パーソナリティ障害の診断基準
統合失調型パーソナリティ障害の診断は、通常、米国精神医学会が作成した精神疾患の診断に関する標準のリファレンスであるDSM-5-TRの基準に基づいて、医師の評価により下されます。
診断には、親密な関係への強い居心地の悪さと関係を築く能力の低さ、そして思考や知覚の歪みと風変わりな行動がみられることが必要です。そのうえで、次の9項目のうち5つ以上が認められる必要があります。
・関係念慮
・奇妙な信念または魔術的思考
・歪んだ知覚
・奇妙な思考および発話
・疑念または猜疑性思考
・不適切な感情または感情表現の少なさ
・奇妙、風変わり、または独特の行動や外見
・第1度近親者を除く親しい友人や相談相手がいないこと
・慣れで和らがない、主に妄想的恐怖に関連する過度の社交不安
また、症状は成人期早期までに始まっている必要があります。
統合失調型パーソナリティ障害の原因
遺伝子が重要な役割を果たしていると考えられています。統合失調症や他の精神病性障害のある人の第1度近親者(親、きょうだい、子ども)に多くみられます。
統合失調型パーソナリティ障害の有病率と男女差、うつ病の併存
米国では、1%未満から4%の人に発生すると推定されています。男性にやや多くみられる場合があるとされています。
うつ病を併発することも多く、診断の時点ですでにうつ病が認められる人もいます。
シゾイドパーソナリティ障害との違い
統合失調型パーソナリティ障害は、シゾイドパーソナリティ障害や猜疑性パーソナリティ障害と区別されます。シゾイドパーソナリティ障害と猜疑性パーソナリティ障害には、統合失調型パーソナリティ障害にみられるような、奇妙な思考や行動が見られないためです。
| 項目 | シゾイドパーソナリティ障害 | 統合失調型パーソナリティ障害 |
| 診断基準の項目数 | 7項目のうち4つ以上 | 9項目のうち5つ以上 |
| 親しい友人や相談相手 | 第1度近親者を除いて、いない(診断基準の1項目) | 第1度近親者を除いて、いない(診断基準の1項目) |
| 奇妙な思考や行動 | みられない | みられる(関係念慮、魔術的思考など) |
| 症状の始まり | 成人期早期までに始まっている必要がある | 成人期早期までに始まっている必要がある |
診断基準の項目数は異なりますが、親しい友人や相談相手がいないという項目は、どちらにも含まれています。区別のポイントは、奇妙な思考や行動があるかどうかです。
関連記事:シゾイドパーソナリティ障害とは?特徴や原因、他の疾患との違いを解説
統合失調症との違い
統合失調症は、統合失調型パーソナリティ障害と類似していますが、より重い症状を引き起こします。そのため、両者の区別が必要とされています。統合失調症などの疾患は、典型的により重度で、妄想や幻覚を伴うとされています。
自閉スペクトラム症との関係
統合失調型パーソナリティ障害の診断基準には、自閉スペクトラム症の経過中にのみ起こるものではないことが含まれています。
一方で、どちらも対人関係の困難から社会生活での不適応につながる可能性があり、診断が重なることが指摘されています。どちらにあたるかは、医師が評価して判断します。
統合失調型パーソナリティ障害の治療
主な治療は薬剤です。抗精神病薬(統合失調症の治療にも使われるもの)は、不安などの症状を軽減するとされています。抗うつ薬も、不安の軽減に役立つ可能性があります。
精神療法では、認知行動療法が役立つことがあるとされています。社会的技能の習得と不安への対処に焦点を当て、自分の行動が他者にどう受け取られうるかへの自覚を高めます。また、医師が患者と感情的で支持的な関係を築き、他者とより適切に関わる方法を学ぶことを支援します。
なお、2018年に発表された系統的レビューでは、統合失調型パーソナリティ障害の治療について、判断の根拠となるエビデンスは限られていると結論づけられています。
受診を考える目安
人との関わりや考え方、感じ方によって日常生活に支障をきたしていたり、苦しさを感じていたりする場合は、精神科・心療内科などの専門の医療機関への相談を検討してください。
パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで、本人が苦しんだり、周囲が困ったりする場合に診断されます。医師が疑う根拠のひとつは、苦痛を感じていることや、日常的な役割を十分に果たせないことです。
診断の際、医師は問診を行います。問診では、自分や他者をどう捉えているか、自分の行動への否定的な反応にどう対処しているかなどを尋ねます。友人や家族から情報を聞くことがあります。
治療では、経験が豊富で、決めつけをせず、患者の自己像、心の繊細な部分、普段の対処方法を理解できる専門家を選ぶことが重要とされています。パーソナリティ障害の治療では、比較的長期にわたって、患者と治療者が協力して対応を続けることがしばしば必要になります。
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