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解離性健忘とは
解離性健忘は、精神的なストレスや心的外傷(トラウマ)が原因で、自分自身の重要な記憶を突然思い出せなくなる精神疾患です。解離性障害の一種として位置づけられています。単なる日常的な物忘れや、加齢や脳の損傷による認知症とは異なり、脳の機能そのものに異常が起きているわけではないという明確な違いがあります。耐えがたい苦痛から心を守るための防衛反応として、特定の記憶へのアクセスが遮断された状態だと言えます。
解離性健忘の症状
もっとも特徴的な症状は、重要な個人的な情報を想起できなくなることです。ある特定の出来事や期間の記憶だけがすっぽり抜け落ちる「限局性健忘」や、これまでの人生に関する記憶をすべて失う「全般性健忘」など、記憶の失われ方にはいくつかの種類があります。本人が記憶を失っていることに気づいて戸惑う場合もあれば、周囲に指摘されるまで自覚がない場合もあります。日常生活に支障をきたすため、気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。
解離性とん走という特殊なタイプ
解離性健忘の中には、「解離性とん走」と呼ばれる特殊な病型が存在します。これは、過去の記憶や自分が誰であるかという自己同一性を失った状態で、突然自宅や職場から離れて放浪してしまう状態を指します。場合によっては、見知らぬ土地で新しい名前や身分を名乗り、別の生活を始めてしまうこともあります。これは意図的な家出や逃亡ではなく、強い精神的ストレスから逃れるために無意識に生じる医学的な症状なのです。
解離性健忘の原因
解離性健忘を発症する主な原因は、個人が処理しきれないほどの圧倒的なストレスやトラウマ体験です。幼少期の虐待、自然災害、事故、暴力的な被害、あるいは身近な人の突然の死など、深刻な出来事が引き金となります。心と体が耐えがたいほどの精神的苦痛に直面した際、その出来事に関連する記憶を意識から切り離すことで、心が崩壊するのを防ごうとするメカニズムが働いていると言えます。
解離性健忘の治療
解離性健忘の治療では、本人が心から安心できる安全で支持的な環境を整えることが第一歩となります。周囲が無理に記憶を思い出させようとすることは避けなければなりません。医療機関においては、精神療法や記憶想起法を用いた専門的なアプローチが行われます。また、不安や抑うつといった症状が伴う場合には、それらを和らげるために薬物療法が行われることがあります。専門家と連携しながら、本人のペースを尊重して治療を進める視点を持つことが大切なのです。
精神科訪問看護との関わり
解離性健忘の治療や生活のサポートにおいて、精神科訪問看護が関わることがあるとされています。症状が落ち着いている時期も含めて、継続的に関わっていく存在として位置づけられています。 地域で安定した療養生活を送るための選択肢の一つとして、訪問看護ステーション ラララへのご相談もご検討ください。
まとめ
解離性健忘は、単なる物忘れや認知症とは異なり、圧倒的なストレスやトラウマ体験から心を守るために重要な記憶が失われる疾患です。症状の現れ方には特定の記憶を失うものから、解離性とん走のように別の場所へ放浪してしまう特殊なものまで存在します。回復のためには、本人が安心できる環境を確保し、精神療法などを通じて適切なケアを行うことが必要不可欠なのです。
まずはご相談だけでも構いません。『こちら』から、お気軽にご相談ください。
参照:MSDマニュアル
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