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解離性同一性障害は、過酷なストレスやトラウマから心を守る防衛反応として生じる精神疾患です。一人の人間の中に、記憶や行動パターンが異なる複数の人格が存在し、それらが交代して現れる状態を指します。過去の苦痛な体験から自分を切り離す「解離」というメカニズムが背景にあり、周囲からは人が変わったように見えることが特徴だと言えます。
パートナーとして意識したい接し方の基本
恋人やパートナーが解離性同一性障害を抱えている場合、最も身近な存在としてどのように向き合えばよいのか戸惑うことが多いと言えます。関係性を築く上でベースとなる接し方について解説します。
交代した人格も一人として尊重する
別の人格が現れた際、それを否定したり無視したりせず、その時に目の前にいる人格を一人の人間として尊重する視点を持つことが大切です。それぞれの人格は、本人がつらい体験を生き延びるために必要として生み出された存在なのです。どの人格に対してもフラットな態度で接し、安心できる環境を提供することが、関係を安定させる基盤となります。
変化を無理に統一させようとしない
複数の人格を無理やり一つにまとめようとしたり、特定の人格だけを呼び出そうとしたりすることは避けるべきだと言えます。治療における人格の統合は、専門医のもとで慎重に進められるプロセスです。パートナーとしては、記憶が途切れたり態度が変化したりする状況をありのままに受け止め、本人のペースに寄り添う心構えを持つことが求められます。
恋愛関係特有の難しさ
恋人やパートナーという親密な関係だからこそ、他の対人関係とは異なる特有の難しさや葛藤が生じることがあります。
記憶の空白や人格交代への向き合い方
二人の大切な思い出が抜け落ちていたり、人格の交代によって愛情表現が急に冷淡になったりすると、パートナー側はショックを受けやすいものです。しかし、これらは病気の症状であり、あなたへの愛情が失われたわけではありません。記憶の空白を責めるのではなく、症状の一部として冷静に受け止める視点を持つことが大切なのです。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。
関係の継続に不安を感じたとき
将来への不安や、どこまで支えきれるかというプレッシャーを感じることは自然な反応です。無理にすべてを一人で抱え込もうとせず、現在の関係性がお互いにとって負担になっていないか、客観的に見つめ直す時間を持つことも必要だと言えます。
支える側自身のケアも大切
パートナーを支える日々のなかで、支援する側が心身の疲労を蓄積させてしまうことは少なくありません。共倒れを防ぐためには、自分自身の健康と生活を守る視点が大切だと言えます。趣味の時間を持ったり、医療機関やカウンセリングを利用して専門家に相談したりするなど、自分をケアするための環境づくりを意識する視点を持つことが重要なのです。
精神科訪問看護との関わり
解離性同一性障害の治療や生活のサポートにおいて、精神科訪問看護が関わることがあるとされています。症状が落ち着いている時期も含めて、継続的に関わっていく存在として位置づけられています。 地域での安定した生活を支える選択肢として、訪問看護ステーション ラララへのご相談もご検討ください。
まとめ
解離性同一性障害を抱えるパートナーと接する際は、交代する人格を否定せず尊重し、無理に症状をコントロールしようとしない心構えが大切です。親密な関係ゆえに記憶の空白や態度の変化に戸惑うこともありますが、それらを症状として冷静に受け止める視点が求められます。同時に、支える側が自分自身のケアを怠らず、必要に応じて医療機関や専門家のサポートへ繋がる視点を持つことが重要なのです。
まずはご相談だけでも構いません。『こちら』から、お気軽にご相談ください。
参照:MSDマニュアル